第4章 夜
華‥
がっつくのは良くない
わーってる
「んっ‥‥んん」
だめだ
がっつくのは良くない
「華」
胸の高まりとついばむ音が聞こえ、もうわけがわからない
なんで?
この銀色の人は‥
なんで?
「…華、はぁ‥‥‥俺を‥おれを‥」
聞こえる
互いの胸の鼓動も息遣いも
嫌がってないこと
嫌ではないこと
むしろ
だめだ
と思っていること
「華、嫌なら」
「嫌じゃない‥‥嫌じゃないんだけど」
「ハァ‥‥チュッ‥けど?」
それでもやまないリップ音に本当にどうしていいか分からない
流されてはダメとかそんなんじゃなくて
受け入れ‥いやいやいや違くて‥
たぶん私は
ずるい人なんだと思
「ずるくはねぇよ」
「んっ‥えっ?‥ちょっ‥」
チュッチュッと響くリップ音が聞こえる中
「えっ?‥いゃぁ‥まっ‥んんっ!」
手が‥優しく支えるようにあった手が
頬から首筋、胸元と下がって、腰辺りまで緩やかに落ちていく
荒々しい吐息と、ずっとしきりに聞こえる淫らな音
じゅっチュルっ
口内に舌が入ってくる
「ぎ‥んっっんんんっ」
ほわほわで、気持ちよくて、唾液の量まみれなのもわかるけど
息が‥息が苦しくて‥
でも
息をするのが必死で、ただ陶酔してる自分がいて
ゾクゾクしてる自分もいて
やめてほしくない
うめぇ‥って思ってる
ここまでか‥
こんなにうめぇのか
やめたくねぇな‥
けど味わい足りない‥
‥もうちょい‥もうちょっとだけ‥
これは続けるべきだろ