第4章 消えた老舗の和菓子
目線を合わせるようにしゃがめばビックリするコナン君。反応が可愛らしい。
前に京都に来た際にいた50代くらいのあの男性が阿笠博士と言う人らしい。阿笠博士は発明家として色んな物を作っているらしく、このバッジもといDBバッジも開発した。トランシーバーが内蔵されていて半径20㎞の範囲で通信が可能でGPS機能もあるとか。こんな機能をもつバッジを開発するなんてすごい発明家だとおもった。だがコナン君曰く発明品のほとんどはポンコツだとか。今回は品評会のため別行動らしい。
「目撃された車の使用者が分かりました」
コナン君と話している間に使用者が分かったらしい。
大阪府城見に住むカワスミ マコ 22歳。社長や職人さんは初めて聞いた名前だと。心当たりもない。これで振り出しに戻ってしまった。どうしたものかと思っていると外の方から「たたりじゃ~~!」と聞こえた瞬間、私の体は反応してしまった。少し屈んで近くのモノを壁にして外をジッと見る。
「空はん?どないしました?」
頭上から聞こえる声で気が付いた。私が壁にしたのは綾警部だった。シマリスちゃんも上から見てくる。
「あ、あ、いや、、、。なんでも、、、ない、、、です」
そう言いながらも綾警部を壁にしたまま動かないでいるとお店の前に車が停まり、中から同じ捜査一課の車折刑事が出てくる。そして今の私と綾警部の状況を見る。
「何やってるんだ黒澤?」
「いえ、、お気になさらず」と綾警部から離れてそっぽを向く。Nシステムで分かった事を伝えに来たであろう車折刑事からしたら謎の光景だっただろう。
「容疑者の車は10分前にNシステム丸太町通りカメラに確認されてます」
カメラがある位置の地図を指差し、カメラに撮された写真を見せてくる。桜色の小型車に桜色の服を着た女性が乗っている。丸太町通りと聞いて社長は白河のお店の近くだと言う。今頃その容疑者は白河のお店に居るのかもしれない。
コナン君はバッジを取り出すと光彦くんに「まだお店に居るか?」と話しかける。
「“居ますよ。だって毛利のおじさんがお酒飲み始めちゃって動かないんです”」