第4章 消えた老舗の和菓子
「他のお店にも聞いてみたら?」
予想外の提案に私・綾警部・毛利小五郎は同時にコナン君を見る。
「その車の人が犯人なら、他のお店でも見られてるかもしれないでしょ?」
あり得なくはない。お店は5店舗、誰かしらが見ていればナンバー等が分かるかもしれない。毛利小五郎は「人をやって聞き込んでもらってくれ」と綾警部に言う。
「そない人手が必要なら所轄の盗犯係に頼んで下さい。本来私達は非番なんですから」
「そんな小さいこと気にすんな!」
「人を動かすのは大変なんだよ。元刑事なら分かるだろ」と内心突っ込んだ。でも美和子なら「警察に休みは関係ない」とか言うだろうな。最悪アッパーをくらうかも。私達が渋っていると蘭ちゃんが動きだす。
「私、塩小路通りのお店に行ってくる。グズグズしてたら逃げられちゃう!」
蘭ちゃんに続くように園子ちゃんも「じゃあ私は新京極に行く!」と。2人で顔を見合せて頷く。父である毛利小五郎には「白河のお店ね!」と指示。そして私達を見る。
「綾小路さんと黒澤さんはここで皆からの連絡を待ってて!」
予想していなかったのか、普段は指示出す側だから他の(ましてや一般の)人から指示で「え?私も?」と目を丸くする。
私はとくに驚きもせずに「いいよ」と一言返すと綾警部は「空はん?」とこちらを見る。何故かシマリスちゃんも一緒に。顔の側面に汗マークが見えるような気がするが気にしないでおこう。
そんな私達の足元では少年探偵団も動きだしていた。コナン君を司令塔にそれぞれ一緒にお店へ行き、断片的でもナンバーを聞き出し、それをコナン君が繋ぎ合わせるらしい。
なんだろうこの警察顔負けの行動力は?慣れすぎてないか?警察よりよっぽど優秀なのでは?美和子が前に言っていた「頼りになることがある」とはこうゆう事なのだろう。
それから数分後、コナン君の元に連絡がくる。歩美ちゃんは『城見ナンバー』元太くんは『頭が11』光彦くんは『最後の方が8』と。考えられるのは『城見 11-?8』または『城見 11-8?』である。
これなら使用者照会ができると確認を始める綾警部。私は気になることをコナン君に聞くことに。先程から少年探偵団が連絡を取り合っているであろう、バッジのようなもの。
「それ、バッジなのに通話できるの?」