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京都府警の女刑事

第3章 迷宮の十字路





「黒澤刑事は裏から回ってくれる?裏の方にも見張りみたいな人が居ると思うから」


「いいよ。君は正面から行くの?大丈夫?一人で」


コナン君の頷きを合図に立ち上がると玉龍寺へ向かうため道を上って行く。とりあえず綾警部へ連絡しよう。


「“はい、綾小路です。空はん、いきなり電話切るとは何事ですか?それに今どこにいるんです?はよ戻って、”」


「時間が惜しいので手短に言います。鞍馬山の玉龍寺に遠山和葉ちゃんが攫われました。そこに服部平次君も居るみたいです。至急、鞍馬山の玉龍寺へ応援をお願いします!」


「“そのことなら、先ほど連絡がありました。白鳥はんが先導して向かっています。私も人をまとめてこれから向かうところです。白鳥はんが着くまで空はんは待って、”」


「待ってられない!」


また一方的に切ってしまった。ごめんなさい綾警部。でも待ってなんかいられない。


コナン君とは玉龍寺の少し前で分かれる。寺を一周してる塀の外側を音を立てないように進む。想像してたよりも大きい。大きいと言うより縦に長い。


コナン君に言われた通り玉龍寺の裏まで来た。入る前に腰にある拳銃を確認する。壊れている部分はなし。弾は全て入っている。使わないで終わりたい。


そしてもう一つ、これは綾警部も知らない。あの人から貰った拳銃。使い方もあの人から教えてもらった。少々小振りで軽量。これを使うのは最終手段かな。


さて行くか。正面の方から叫び声が聞こえる。近くの木を利用して塀に上ると、居た。見張りと思われる人の後ろに下りる。


「な、何者や!?」


日本刀に手をおいていたが直に抜こうとしないため、みぞおちに一発、相手がひるんだところで足を振り上げこめかみ辺りに一発。意識を失ったのか動かなくなった。


「剣道の試合じゃないんだから」


剣道や柔道、空手の試合で相手が構えていない時に仕掛けることは反則と捉えるが、実際の戦い等では関係ない。『やる』か『やられる』のどちらか。『やれば生きる』『やられれば死ぬ』。


「私が警察官でよかったね」


日本にいる限り戦って死ぬことはまずないだろう。普通に暮らしていればだけど。


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