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京都府警の女刑事

第3章 迷宮の十字路





どうやら道端で倒れたらしい。あれだけの傷を負って勝手に病院を抜け出したのだ。いつ倒れてもおかしくない。


「コナン君の居場所が分かりません。蘭ちゃんが向かう先に居るかもしれないのでこのまま追いかけます」


「“え?空はん?ちょお待ち、”」


綾警部の言葉を最後まで聞かずに切ってしまった。だって蘭ちゃん足速いから。電話してたら見逃しちゃう。


でも鞍馬山になにがあるんだろうか?人伝えに聞いたある噂では「廃寺になった寺で道場をやっている」や「怪しい武術をやっている」と。本当かどうか分からず見に行くことすらしなかった。


もし本当に噂が本当で、コナン君が居て、蘭ちゃんも行ったら、マズい。


蘭ちゃんを追いかけて行くと鞍馬山に着いた。日は完全に落ちて月明かりだけが頼りの薄暗い山道をひたすら進む。


人の足音?


私と蘭ちゃん以外の足音が聞こえる。それも複数の足音。


蘭ちゃんは聞こえないのかそのまま進む。嫌な予感がして蘭ちゃんを引っ張りその辺の茂みに身を隠す。


突然のことに驚いた蘭ちゃんに「静かに」と言い、足音がした方を見る。


道着のような着物を身につけ、顔には鬼のような面を被っている人が3人。それも日本刀を腰に差している。登録していれば日本刀を鑑賞用として所持・保管することは簡単だが、武器として使用することは銃刀法で禁止されている。


「どこや!?」や「探せ!」と言っているのを見ると私たちではない誰かを探している様子。奥の方に誰か居たのだろうか?まさかあの噂は本当なのか?


何にしろ蘭ちゃんを行かせるわけにはいかない。アイツらが離れたのを確認して蘭ちゃんに向き合う。


「私がアイツらを引き付けるから、蘭ちゃんは来た道をもどって」


「それじゃあ黒澤刑事が。それに玉龍寺にはコナン君が」


「これでも警察官だよ。一般人の蘭ちゃんを危険な目に合わせたら私の存在意義がない。コナン君のことは任せて。一応、警察官としてコレも持ってるし」


腰を手で叩いて拳銃の存在を教える。


それに『何かあったら助けになる』あの人に言われたこと。あの人との間に何があったか分からないけど、守らなくては。


蘭ちゃんは少し納得したのか戸惑い気味にうなずくと、なるべく音を立てずに来た道を戻って行く。


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