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京都府警の女刑事

第3章 迷宮の十字路





電話の相手は目暮警部のようだ。


白鳥警部が電話口で小さく「形見分け?」と言ったのが聞こえた次の瞬間、


「分かったぞー!!!」


テーブルに手をつき、身を乗り出し、声を上げる毛利小五郎。分かったとは何?もしかして犯人について?


そして人を集めるように指示を出す毛利小五郎。舞妓の千賀鈴さんと女将の山倉さんと綾警部。そして何故かシマリスちゃんも一緒にと。


シマリスちゃんもとは何故?関係性が見えない。本当に犯人について分かったのか?とりあえず綾警部に電話するか。


「“はい、綾小路です。どないしました?空はん”」


「毛利探偵が集まって欲しいと」


「“何か分かったんやろうか?”」


「そうみたいです。そしてシマリスちゃんも連れてきてほしいとも」


「“は?なんでこの子も?”」


電話越しにシマリスちゃんと戯れているであろう綾警部が見える。


「“とりあえず向かいます”」


電話を切る。直に来てくれるだろう。


そして先ほどから感じる複数の視線に目を向けると、コナン君の同級生の子たちだった。


「ねえちゃん刑事なのか?」


「かっこいい~」


「佐藤刑事以外の女性の刑事さんは初めて見ました」


美和子と顔見知りのようだ。もしかしてこの子たちが『少年探偵団』なのだろうか。


「もしかして君たちが『少年探偵団』?」


3人とも目を光らせてくる。


「僕たちを知っているんですか?」


「たまに、美和子が教えてくれるから」


よくある好奇心旺盛でヒーローに憧れている子どもだが、事件に遭遇すると大人では気づけないちょっとしたことに気づくため、捜査の進展につながることもあるらしい。


「みわこって誰だ?」


「佐藤刑事のことですよ」


「佐藤刑事と知り合いなの?」


「知り合い、と言うか、仕事仲間、と言うか、、、」


なんと言えばいいのだろう?やっていることは一緒だけど同僚と言うわけではないし、同期はアイツ等だから違う。


「そういえば哀ちゃんどこ行ったんだろ?」


「いませんね」


子どもたちがキョロキョロ辺りを見渡す。「あいちゃん?」と聞けば同じ『少年探偵団』のメンバーらしい。一人でどこかへ行ってしまったようだ。


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