• テキストサイズ

京都府警の女刑事

第3章 迷宮の十字路





一応この方向で捜査は進んでいるようだが、この考えは何個かある内の一つ。綾警部は他の可能性も考えてるみたいだし。


「数日前に東京・大阪・京都で起きた連続殺人に続き、昨日の桜氏の殺害と、服部平次が襲われた事件が連続して、捜査が難航してます」


それに今は桜の時季。観光客が増えて、普段よりも事故や事件が多発してると聞く。人員をあまり割けない。


「私の方からも一つ。千賀鈴さんの母親は宮川町の芸妓さんで彼女が5歳の時に病死しています。未婚の母でしたので千賀鈴さんは御茶屋の女将の山倉多恵さんに引き取られて育てられたそうです」


芸妓で未婚の母とは多くの苦労や壁があったのだろう。一般人とも警察とも違う苦労が。


「彼女の父親は誰だか分からないんですが、毎月御茶屋に匿名でお金が送られてきてまして、それが3ヶ月前から何故かぷっつり途絶えてしまったんです」


「3ヶ月前から?」とコナン君と一緒にいた男性が驚く。と言うかその情報、綾警部知らないんじゃ?私も初耳だ。


「白鳥警部、どこでそんな」


蘭ちゃんも不思議に思ったのか突っ込む。服部平次も「おじゃる警部から聞いたんやろ?」と。


「違いますよ。こう見えて私、祇園ではちょっと顔なんです。だいたい、アイツは私のライバルなんて言われてますがシマリスをいつも連れて歩いてるようなヤツと一緒にされたくない」


そんな言い方しなくても。シマリスちゃんかわいいじゃないか。


「シマリス?」とまたも蘭ちゃんが不思議に思う。


「うん、ポケットに入れてるんだよね?」


コナン君が私を見てくるとその他の人の視線がこちらにくる。確かにこの中で綾警部についてよく知っているのは私しか居ないしな。


「さすがに現場に来るときは置いてきたようやけどな?」


皆の問に答えるように一つ頷く。


「いつも一緒に居ますよ。ポケットに入れて。肩に乗せて歩いているときもありますが。基本的に現場には連れてこないですが、たまに連れて行きますよ」


私でも分かるくらい服部平次の目が「連れていくんかい」と突っ込んでいる。


皆さんびっくりしてるよ。変人とでも思っているんだろうな。


その時、白鳥警部の携帯が鳴る。


/ 48ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp