第3章 入学仕立ての大騒動
さすがにそろそろ治さなければいけない
珊瑚の海にとって
海の魔女は悪役同然
ヒロインは人魚姫なのだから
悪く言われて当然であると分からなければならない
私にとって海の魔女は弱点の一つだ
ジェイド「落ち着いて。」
ジェイドくんは私を優しく抱き締めた
我に返っている私は呼吸が荒いことに気づいた
海の魔女の像が傷つけられただけで
海の魔女自体は消えたりしないのに…。
私ってば本当にバカだなぁ…
私はジェイドくんを抱き締め返した
『もう大丈夫。ありがとう。』
ジェイド「呼吸も正常ですね、よかった。
では魔法薬学室にでも向かいましょうか。」
『ううん。今は…ジェイドと二人きりになれるところがいいな。』
何かあった時にいつも傍にいてくれたのは
ジェイドくんだった
そしていつも機嫌が良くなることが多いのは
ジェイドくんと一緒にいる時
あぁ…分かった…
私は無意識で恋ではないと否定し続けたけど
私にとってジェイドくんは大事な人なんだ
もちろんアズールくんやフロイドくんも大事だけど
無意識に私はジェイドくんに想いを寄せて甘えてたんだ
ジェイド「ふふふ。急に素直ですね。」
『うるさいです…////』
ジェイド「おやおや、そんな顔をなさられて。
誘っているんですか?」
『違う…////』
ジェイド「残念。」
ジェイドくんに手を引かれて
私は寮へと帰ってきた
部屋に入ってから
ジェイドくんは部屋の鍵を閉めた
部屋の鍵って閉められるんだ…
ジェイド「いい茶葉を最近手に入れたんです。
飲んで心を落ち着かれては?」
『ジェイドっていつお茶を注ぐの上手くなったの…』
ジェイド「陸にあがってからでしょうか。」
『知らなかった………』
ジェイドくんは慣れた手つきでお茶を作り始めた
なんか…器用だよね、ジェイドくんって。
なんでも丁寧だし…ほとんど完璧にしちゃうし
私なんて不器用だから努力めちゃくちゃしないとできないし
ジェイド「アリア。できましたよ。
あなたは猫舌でしょうから少し温度を低くしました。」
『ありがとう。え、すごくいい匂い。』
ジェイド「ふふふ。
だからいい茶葉だと言ったでしょう?」
茶葉は良かったしても腕が良くなきゃ台無しだよ
本来お茶というものはそういうものだと思う