第3章 入学仕立ての大騒動
事情を聞くと
メインストリートを清掃しようとしたら
エースくんという人にグレート・セブンについて説明を受けた
そしたらエースくんにバカにされて喧嘩になり
グレート・セブンの石像を黒焦げにしたらしい
『あんたもしや…海の魔女の石像も…?』
グリム「ひぃぃぃ!」
ユウ「海の魔女の石像は無事だから安心して?」
『そりゃ怒られて当然だよ…で、肝心なエースくんだけど寮の方に行ったんじゃない?
寮への鏡は東校舎の奥だから行ってみたら?』
ユウ「ありがとう!えっと…」
『あ、アリアだよ。またね!』
二人が去っていった
私は持っていたボールペンを片手で握りしめた
それがボキッと折れる
インクがぽたぽたと私の手から流れ落ちる
グレート・セブンの石像を黒焦げにしただって〜?
許されるわけねぇだろ…←ガチ怒り
教室のドアが再び開かれる音が聞こえた
ジェイド「遅くなってすみません。
かなりお待たせしてs…!?アリア?」
『あ、ジェイド。』
ジェイド「どうしたんです?
ペンをへし折るほどあなたが怒るなんて。」
『グレート・セブンの石像を黒焦げにしたって言う人いてさ。
めちゃくちゃムカついた。』
ジェイド「ふむ…なるほど。
あなたは海の魔女を心から慕っていますから
怒るのも無理はないでしょう。」
ジェイドくんは私の手のひらにある折ったペンを回収した
私の手についたインクをハンカチで綺麗に拭いていく
拭き終えると私の手を優しく握った
ジェイド「ご自分の手を大事にしてください。
こんなにも綺麗な手をなさっているのに。」
『うん。』
ジェイド「きっと学園長が治していますよ。
今日は錬金術に付き合いましょうか?」
『いいの?』
ジェイド「もちろんです。
今日はなにもないので大丈夫ですよ。」
きっとジェイドくんは
私の機嫌を良くしようとしてくれてるんだろう
ジェイドくんの優しさに何度救われたか
でも確かに
像だけでキレるとか私ってバカだなぁ…
昔から私は海の魔女のことになると感情が左右される
悪く言われれば物に八つ当たりをする
逆に慕われていることを知れば嬉しくなる
先程折ったペンのように八つ当たりをする
その時
いつも私の機嫌を良くしようとしてくれるのは
ジェイドくんだった