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この身は君しか愛せない【ONE PIECE】

第2章 番外編 初めてのお泊まり


ちなみに彼の後見人であるドンキホーテ兄弟は出張で今は海外。
大人になってからも兄弟で住んでいることに仲の良さを褒めてみたが実情は彼の一人暮らしも同然だった。それは全国各地に拠点があり、それらを往き来している彼らはその拠点に合わせて自宅を持っているそう。だから基本的にこのお家に住んでいるのはローのみであって、後見人のご兄弟は別々のところにいるそうだ。

だから酒飲んだら遅くなるし送れないから泊まりの用意してこいよと言われ、ついにきたかと初な娘のようにドキドキしてしまった。

「着替えてくる」
「はーい」

戴いたコーヒーを飲みながらメールをチェックする。今夜は仕事にも邪魔をされたくない。せっかく長い時間彼といられるのだから。

緊張からかコーヒーもすぐ飲み干し、チョコも早々に美味しく戴いてしまった。専門店のロゴが散らばるその包みを眺めながら、今回のために買ってくれたのだろうかと独りそわそわする。イッカクに聞いた(いや、聞かされた)彼の女性遍歴は決して尽くすようなものではなくドが付く程淡泊らしいからきっと違うかもしれないけど、妄想に浸るくらい許されるだろう。
包み紙ひとつでニマニマしていると、リビングのドアが開き、いささかラフな格好のローが入ってきた。

「わ、何着てもイケメンね」
「は?」

心の声が漏れてしまったのは彼がイケメン過ぎるからしょうがない。どこぞのメンズ雑誌から抜き出たかのようなビジュアルにくらりときそうだが、しょうもない年上の意地で耐え、平常を取り繕う。

「それ…」
「?…変、か?」

ローのルームウェアに見覚えがありすぎて凝視していれば、その視線に少し戸惑ったような表情をするローに慌てて首をふる。

「変とかじゃなくて…そのブランドって"Bepo Style"よね」
「知ってんのか」
「私も愛用者よ」
「へぇ」

ふわっと嬉しそうな雰囲気が彼を包む。近頃は小さな変化に少しずつ気付けるようになった。

ラインナップのなかでもシンプルなルームウェアをそつなく着こなすのは流石ピカイチの素材を持つ男。なんなら掲載モデルの男性よりも様になっている。ローがモデルやれば良いのに。

「マニアだな」

特徴的なロゴとかの無いウェアを指しながらローは笑う。それに笑って肯定すれば嬉しそうな雰囲気は強まり、上機嫌でキッチンへと消えていった。

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