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この身は君しか愛せない【ONE PIECE】

第2章 番外編 初めてのお泊まり



「絶品ッ!」
「確かに」

お土産で貰ったと言うお高いお酒とおつまみ。
社会人となって数年の私と医大を卒業したばかりの研修医では手のでないような高級品を惜しげもなく大量に送ってくるローの同居人に心で感謝をのべつつ堪能する。
一本、二本とお酒を空けていくうちに座る距離も縮まり今では殆どローに寄りかかりながらグラスを傾けていた。

「ほら、」
「ふふ、ありがとう」

そこそこお酒が入って上機嫌な私にローは甲斐甲斐しくナッツの殻を剥いて渡してくる。
自分とは違う大きな手の中で簡単に剥かれていくそれを眺め、口の中へと消えたナッツの代わりに自分の手を置く。

彼の流れに任せようと最初は思っていたのだが、この距離で香る匂いと細身ながらがっしりとした鍛えられた体に触れているうちに、私の方が早くも欲情してしまっていた。

掌を乗せ、するりと指先を絡めればぎゅっと握り返される。肩に預けていた顔を少しあげれば金に確かな欲を宿しながらこちらを見つめる瞳と合う。
学生の頃も感じていたが、この瞳は強すぎる。吸い込まれそうになる美しさと、彼自身からくる芯の強さが現れて、意思をもって見つめられてしまえば抗うのは難しい。

絡んだ瞳は次第に唇へと移り、触れていない片手はフェイスラインをなぞる。そわっとした感覚が体を走れば思わずふっ、と息が漏れた。

「目…開けたままが好みか?」
「え…?」

数センチの距離で笑った瞳にはっとする。

「凝視してるからそういう趣味かと」
「や、違うよっ!」

からかわれている響きなのはわかったが、自分でも無意識のうちの行動に頬が熱くなる。

「俺は構わねぇが…」
「私は構います…」

鼻先が触れる距離まで詰められ慌てて瞳を閉じる。なんだか待ってる感じがして恥ずかしくなったが、彼の瞳を見ながらキスなんて、今の段階でやったら軽く昇天しそうだ。

視界が暗くなってすぐに重なる唇。
柔らかで、滑らかな感触。
一度離れて、また重なって。啄むように唇を食まれて軽く歯を立てられる。同じように応じようかと少し口を開けば濡れた舌が割り入るように入ってきた。
ぬるぬると探るように入口付近をなぞり、侵入者に縮こまっていた私の舌を見つけたローは付け根から吸い出すように深く舌を絡ませてきた。



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