第1章 世界で一番幸せ【リヴァイ】
「ここです!」
ユズアの案内でたどり着いたのは、公園の中にあるカフェだった。
平日のせいか人はまばらで、一番景色のいい席を陣取る。
持折爽やかな風が通り抜け、新緑の木々を揺らす。
その度に木漏れた日が優しく二人の上に降り注いだ。
「確かにいいところだな」
「はい!いつか来られたらいいなって思っていたんです」
景色を楽しみながら簡単な食事を済ませ、食後のお茶を飲んでいると、ふとユズアの視線が一点で止まった。
何事かと視線の先を辿ると、同じように外で食事をしている恋人達に少年が話しかけている。
少年の手には色とりどりの花が詰まった籠があるところを見ると、どうやら花を売ろうとしているらしい。
男の方が少年にコインを渡すと、籠から花を取って連れの女に捧げる。
ユズアと同じ年頃に見える女は、遠目にも分かるくらい幸せそうな笑みを浮かべた。
ユズアに視線を戻すと、彼女はまだ二人の方を見つめていた。
口元はゆるく弧を描いているが、その横顔がひどく寂し気に感じる。