第1章 世界で一番幸せ【リヴァイ】
【世界で一番幸せ】
あれは夏というにはまだ早い、爽やかな季節だった。
その日はリヴァイもユズアも非番で、珍しく私服を着て街へ買い出しに行った。
午前中であらかたの用事は終え、これから本部へ戻る長い道のりに備えて、軽く昼食をとることになった。
「どこかいいところを知っているか?」
そう尋ねたリヴァイにユズアは顔を輝かせる。
「実は以前から行ってみたかったカフェがあるんです。外で景色を見ながら食べられるんですよ」
言ってからふと不安そうな顔になる。
「でも外で食べるとホコリとか虫とか嫌ですか?」
自分はどれだけ潔癖症だと思われているのだろう、とリヴァイは内心苦笑した。
「今日はいい天気だからな。そこに連れていけ」
「はい!」
ユズアが笑顔で頷くと、ブラウスについたリボンが一緒に揺れた。
白いブラウスに紺のロングスカートという地味な服装だが、それがかえってユズアの瑞々しさを引き立てていて、リヴァイは知らずに目を細める。
制服から解放されらユズアは、いつも以上に明るく笑うように思えた。