第2章 そのキスの意味は【リヴァイ】
あの時のやりとりを思い出すだけで、頬が熱くなる。
手で顔をあおいでみたけれど、大して役には立たなかった。
蒸らし終わったお茶を二つのカップに注ぐと、途端にいい香りが辺りに漂う。
「好きです」と伝えて「側にいたい」と願って、「いいだろう」と了承されたのだから、付き合っている……はずだ。
二人の関係に何も進展がないから、未だに実感はないけれど。
変わったことと言えば、兵長にお茶を淹れるとき、自分も一緒に飲むようになったくらいだ。
兵長にしてみたら、部下のちょっとした我儘を聞いてやるくらいの気持ちなのだろう。
兵長が私と同じ感情を持ってくれるなんて、自惚れてはいない。
だけど、私が望んだ通り一緒にいる時間が増えたのは間違いない。
側にいることを許されるのは、なんて幸せなのだろう。
「兵長、お部屋で飲まれますか?それとも……」
トレイにカップを載せて、食堂に持って行くと、目に飛び込んだのは例の本を手に取る兵長の姿だった。
思わず乱暴にトレイをテーブルに置いて、兵長から本を取り上げる。
「へ、兵長!だ、だめです!」
「別に中身は見てねぇよ」
「そうですか……」
少しホッとして、カップを兵長に渡す。
テーブルの角を挟んだ隣の席について、自分のカップに口を付けた。