第2章 そのキスの意味は【リヴァイ】
【そのキスの意味は】
本のページから目を上げて、思わずほぅとため息をついた。
人気のない食堂で、寝る前にお茶を飲みながら本を読み始めたら、止まらなくなってしまった。
憲兵団の友人に『好きな人と付き合うことになった』と言ったら、『ユズアは初心だから、これで勉強しなさい』と送ってくれた恋愛短編集だ。・
内地で流行っているだけあって、素敵な恋のお話が詰まっている。
「だけどこれ、本当に参考になるのかな」
自分の想い人の無愛想な顔を思い浮かべて、ついひとりごちる。
ましてや自分達は兵士だ。
どう考えても、こんなロマンティックな状況になるとは思えない。
「おい、ユズア」
急に降ってきた当人の声に、危うく椅子から落ちそうになった。
手元の本が、パタリと音を立てて閉じる。