第1章 彼にも余裕がない日はある
夏目くんは私の愛液で濡れた指をじっと見つめたあとに…なんとぺろりとそのまま口に含んでしまった。透明な液を赤い舌で舐めとる仕草はあまりに官能的過ぎて見ていられない。
「な、舐めないでよ」
「那乃花ちゃんがこんなに汚しちゃったんだから仕方ないでショ。それより、ボクもう我慢出来ないんだけド」
「ひゃっ…」
耳に荒い息をかけられながら、太ももに硬いのを押し付けられる。自分よりも大きな手が重ねられて、部屋の暗さで藍色を纏った金色の瞳で見つめられて、その気にならない訳がない。夏目くんは本当に、私を誘うのが上手だ。
「入れていい??」
「…いいよ、夏目くん。私も、欲しいか、も」
「欲しいかモ、って。可愛いナ、激しくしたくなっちゃウ」
「なっ!!夏目くん疲れてるんじゃなかったっけ?!」
「それとこれとは話が別だヨ、ほラ準備出来たから…入れるよ?」
足を広げられてそう囁かれる。
入口からゆっくり入ってきて段々と圧迫感で苦しくもなっていく…がずっと空いていたような感触がどんどん埋められていって、気持ちよくって涙がじわじわと溢れてく。
「っ、はァ…きっついナァ…」
「ん、ああっ!!まだっ、まだまってっっ!いま動かれたらちょっとやばぁっっ!?」
「ムリ、はっ… 那乃花ちゃんのすっごくぎゅうぎゅう締め付けてくる…ヤバいな」
「ひぅぅ!!♡あっ、あう、あうぅっん!!むり、むりぃぃっ♡♡あ、おぐぅっ!おくあたっっ、あああっ!!♡♡」
腰を引こうとすると耳に唇を近づけられてカプリと噛まれる。熱の篭った声でダメ、とだけ囁かれて腰に腕を回されまんまと捕まってしまった。