第4章
ヨコハマの夜は綺麗だ。
どの夜景よりも、ヨコハマの夜景が一番好きだった。
左馬刻のマンションに着くまでずっと沈黙が続いてて、流れていたのはスピーカーから流れるメロウなヒップホップだけだった。
マンションについても左馬刻はずっと無言。
2年間も一緒にいるけど、こういう時は余計なことを言わないのが一番。
私に当たってきたことは一回もないけど、舎弟とかの様子とかを観察してると、今は放っておくのが一番って私は学んだ。
エレベーターに乗り、最上階へ辿り着き、家にたどり着く。
左馬刻の部屋はさすが頭、と言わんばかりの広い部屋。
リビングの窓がとても大きく、私はそこがお気に入り。
大きな窓を見下ろすと、ヨコハマの夜景を一望できるからだ。