第3章
左馬刻『てめぇ、今誰の女に向かってなんて言った?ああ!?』
銃兎『さんが可愛らしいって言っただけだ。そんなカッとするんじゃねぇ、左馬刻。』
左馬刻『気安くそんなこと言ってんじゃねぇぞこのクソ兎。』
銃兎『てめぇ言い過ぎだろ。別にお前の女を取ろうとしてるとかっていう話ではないだろ、頭湧いてんのかこの馬がぁああ!!』
左馬刻『あぁああああ!?てめぇ今どこいんだよ!!』
銃兎『署だよ。だが、お前とこんなしょーもない揉め事してるほど俺は暇じゃない。』
左馬刻『あぁ?てめぇが暇なのか暇じゃねーのか俺様には関係ねーんだよ!!!!!』
「左馬刻。」
左馬刻の眉間の皺はそのままで、顔だけこっちに向けた。
「私は左馬刻だけの女だってば。入間さんになんて言われようと、左馬刻の女なんだから。」
銃兎『…では。』
ツーツーツー
入間さんは電話を切り、沈黙が車内を包んだ。
左馬刻「…チッ。」
左馬刻はハンドルを殴り、携帯を放り投げた。
さっきの荒々しい顔からいっぺん、一瞬悲しげな表情をみせ、またハンドルを握り、車を走らせる。