第4章 記憶
ミズキは相変わらずカカシにべったりで、代わろうとしたら初めてイヤって言われた……オレは六歳ちょっとのまだまだガキのカカシに嫉妬しながら先程の集団の話をし、カカシもミズキに聞こえないように配慮しながらその話に耳を傾けた。
「レンジ、この後、ヒルゼン様とミナトくんが来るわ?今、アケルが迎えに行ってる……」
「集団の頭を仕留めたのがミナトだったんだ……ミナトも侵入者に気付いてたみたいでな?」
「……ミナトも戻ってたんだな……だが、迂闊だった……正直、カカシとサクモがオレを止めてくれなかったら……里の仲間を巻き込んでた……」
「レンジ………結果、大丈夫だった!気にしないの!」
「ねぇ、カカシ?とーさま、元気ない…… ミズキのせい?ミズキがはしゃいでたから……だから___」
オレはサクモからその後の詳細を聞き、頭を抱えながらカカシに抱かれるミズキを見つめ、ミトカが一塊してくれて……その様子をミズキが不安げに見つめてくる中、アケルがヒルゼン様とミナトを連れて戻ってきた。
「お待たせ__ッ!?」
「アケル、ありがとう……驚いたよな……?ミズキがオレ達以外に抱かれてるから……悪い……ヒルゼン様、遠い所、申し訳ありません……それに、久しぶりだな、ミナト!!」
「っあ!!ヒルじー!!ヒルじー!!」
「えっ、ちょ、ミズキ、暴れないでッ!」
「おっと!あははは、元気な子だね!カカシが怖がられないなんて珍しいね!初めまして、ミズキちゃん!オレは波風ミナト!!よろしくね!」
「………ゥ……」
「はぁ、ミナト先生…… ミズキ、驚いてますから……てか、手を離してください……も、大丈夫です」
「ほら、ミズキ、ちゃんとミナトくんにご挨拶!」
「…… 龍香 ミズキです……よろ___ッ?」
「ん、よろしくね!ミズキ!!」
ミズキが入ってきたヒルゼンを見てはしゃぎ出すとカカシがバランスを崩し、それをミナトが支えながら挨拶するとミズキは驚きを隠せず目を見開き固まった……それからミトカに促され漸く口を開き、ミナトがカカシごとミズキを抱き上げ目線を合わせて嬉しそうに笑みを浮かべるから、オレはミナトもライバルとカウントした。