第4章 記憶
火影室を後にし、ナルトが明日退院する事を伝えると、ミズキは“そう”と一言発し、無言のまま木ノ葉病院へと向かう途中で、サクラと出会い、サクラはミズキを見るなり涙を溜めて抱き着き、後ずさるミズキの肩を支えた。
「……サクラ……ごめんね……サスケの事もこの前の事も……」
「ミズキさんのバカッ!!どうして全部、自分のせいにするんです!!それにサスケくんの事もミズキさんは全然悪くない!!私は頼るだけで何も出来なかった……でも、ナルトと約束したんです!時間は掛かるかもしれないけど、次は一緒にって!!
……だからミズキさんはもっと自分自身を大切にして下さい!!私……私、ミズキさんが死んじゃうと思ったんですから!」
「サクラ……ありがとう……ごめんね……だから、もう泣かないで?」
「……サクラ、綱手様に弟子入りしたみたいだな?これからは泣いてばっかりはいられなーいよ!」
「はいっ!!カカシ先生、ミズキさん!これから師匠のところに行くので失礼します!!」
サクラ、ほんの少しの間に成長してる……私よりずっと大人で強い……走り去っていく背中を見つめ、私も強くならないとって苦笑いを浮かべ再び足を進めた……。
「……三年か……ナルトもジラちゃまと修行に出るのに、私のために時間を取られるの悪いな……」
「それとこれとは関係なーいよ!ま、オレもウカウカしてられないな!」
「はははっ!カカシならって言いたいけど、ナルトとサクラ……サスケだってきっと、ものすごい勢いでレベル上げてくるだろうね……それこそ経験値によるけど、三年で私たちを抜いてくるかもよ?」
「ほーんとだね!まぁ、オレ達も気合い入れなきゃな?」
「あはは……ねぇ、カカシ……もし記憶が戻ら___」
「大丈夫、ミズキならちゃんと戻るよ……前も言ったけど戻った時はちゃんとオレを見て?オレはミズキの事が好きだよ……ずーっとね?」
「…………バカカシ…」
カカシと火影岩の上へと移動して里を見渡しながらナルト達の成長を楽しみに笑い合い、過ぎる不安に膝を抱えるとカカシが頭を撫でてくれる……本当か嘘か分からないけど、私を好きって言うから対応出来ずに顔が紅くなるのを感じながら俯いた。