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瑠璃色の瞳のその先に

第4章 記憶


ミズキが部屋を飛び出した後、暫く沈黙が続き、オレは静かに立ち上がり、ベッドの下に置かれている靴を手に取った。


「カカシ…すまんのぉ……」

「はは、こうなるのは予想出来てましたし……ま、一時的な感情なんで大丈夫ですよ!では……」


「……酷く…傷付けたな……」

「なーに、大丈夫だ……ミズキは驚いただけだろう……いずれ、話さなければならぬ時が来ていただろ……」


綱手が珍しく沈んでるな……まぁ、カカシに任していれば大丈夫だ……のぉ……ミナト……レンジ……。







あの人が私の本当の父親…?じゃあ…あの女性はもしかして……でも何で……記憶の封印……まさか……私自身で消したの?……だからあの時……悲しそうにしたの…?

私は……自分の両親の記憶を消してまで生きる価値があったの?何のために記憶を消したの……どうして……?


私は裸足のまま全速力で駆け出し、歴代火影の碑の前で静かに崩れ落ち涙が溢れ出した……。





「ねぇ……パパ……どうして……教えてくれなかったの……?どうして……私を育てたの……?……この血のため…?…だったら……勘違いした優しさなんていらなかったッ!!!」



「それ、本気で言ってるの?……ミナト先生はミズキのこと、本気で愛してたでしょ?ホントの娘として?……それはミズキが一番分かってるよね?そうじゃ無いって言うならオレ、本気で怒るけど?」



「………ッ……!!……ッどっか行ってよ!!私に関わらないでッ!独りにしてよ!!お願いだから放っておいてよ!!」



「ハァ……オレがミズキを放っとくワケないでしょーよ……てか、このセリフ前にも言ったよね?」



「……カカシがここに居るなら、私がどっか行く……」



「……ホント、可愛く無いね、お前?」



「… ッ…離せよ……こんな可愛げのないヤツ、相手にすんなっ!!」



ただ確認したかった……確認のしようが無い事も分かってたけど……じゃなきゃ……生きてる意味が分からないから……パパに愛されてた……でも、それが偽りなら?不安で押し潰されない様に想いのまま口を開くと、背後よりカカシが声をかけて来た……また気配に気付かなかった……はは……そりゃ怒るよね……でも…もう……私に関わらないで……去ろうとする私の腕をカカシが掴んだ……。
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