第4章 記憶
カカシは小さく震える私を優しく抱きしめて、おでこにキスしてきた……驚いて手を額に当てると優しく笑い見つめてくるカカシに自分の顔が真っ赤になってるって嫌でも気付いた。
「ほーんと、ミズキは可愛いね!さ、綱手様も自来也様も心配してるよ!それとも、このままオレに襲われたい?」
「ッ!?」
「はははっ!!」
「ッ!!バカカシ!」
「……やっと笑ったね!ミズキ、戻って来てくれてありがとう」
カカシはいつだって私に優しい……ダメだと分かってるけど、この温もりが心地良いって思っちゃう……アナタが待っててくれて良かったって思う私がいる……“ありがとう”は私の台詞だよ……私は綱手様達が部屋に来るまで、そのままカカシの優しさに甘えていた……。
「はいるよ?」
「ッ!!も、申し訳___ッ!」
「ったく!!馬鹿が!!無事で良かった……」
「……綱…手様……ジ…ラ……ちゃま……ごめん…なさい……心配……かけ……て……」
「もうあんな無茶するな!!」
「つ、綱手、ミズキが白目剥いてるぞ!?」
暫くして綱手様とジラちゃまが入って来て、綱手様が怒ってるのを感じ必死で謝ろうと口を開いた瞬間、私は綱手様に強く抱きしめられた……ジラちゃまが止めてくれなければ圧死してたかも知れないくらいに……。
「……あの時の事……はっきりとは覚えてないんです……カカシが倒れて頭が真っ白になって……そしたら___」
「…やはりのぉ…… お前の中に現れた赤髪は…… 龍香 レンジ…… ミズキ、お前の本当の父親だ」
「………え?」
「……… ミズキ、酷な話なんだが、お前には幼い頃に封印された記憶がある……それを取り戻して貰いたい……その時、瞳術も使える様になるだろう……」
「……瞳術……?父親……?意味わかんない……結局……みんな、この力が大事なんじゃん……だから私はっ!!」
「ッ!!?ちが……待て、ミズキ!!」
「…少し、一人にしてやろう……」
瞳術が使える様になったっていう実感は無い……状況を伝えると綱手様とジラちゃまの話に頭がついて行かなかった……理解したのは私がなんでみんなに大事にされて来たのかという事だけ……知りたくない事実に、私は綱手の静止を振り切り逃げる様に窓から外へ飛び出した……。