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瑠璃色の瞳のその先に

第4章 記憶


オレがゆっくりと唇を離すとミズキの瞳に徐々に光が戻り、名前を呼んだ瞬間、その瞳から大粒の涙が溢れ出し、そのまま抱きつかれ、オレもミズキを優しく抱きしめた……。


「……ミズキ?」

「カカシ…カカシ……カカシィ……ッ…カカシが生きてて……良かった……ッ…ど、して…私を庇うのよ!!カカシが死んじゃ…ダメでしょッ……私……私……もう……誰も………」

「心配かけて、ごめーんね!でも、ちゃぁーんと生きてるよ?ミズキが治してくれたからね!」

「ッ…ッ…もう……二度……あんな事…しないで……私が死ねば……ソレでッ……ッ!?」

「おーい、怒るよ?………ミズキ、言ったでしょ?オレはミズキの事が好きなの!ミズキを守るのは当たり前でしょ!!」

「当たり前じゃない……私は……」



カカシが生きてて良かった……私はカカシの胸を叩きながら想いのまま口を開き、カカシが私を好きだから守るって……そんなの当たり前じゃない!!私はもう………。






“ミズキはカカシ君がホントに好きなのね?”


“カカシは私を小さい頃からずっと守ってくれて……側にいるのが当たり前で……でも、この気持ちを “好き” って認めたからカカシも……危険な目に……”


“失いたく無いでしょ?何があっても……”



“うん……”



“なら、自己犠牲じゃなく、ミズキの想うように心のままに素直になって?”



“え?”



“ミズキ、人を愛さない人なんて居ないのよ?愛する事で強くなれるのよ?”



“違う……私が愛した人は居なくなった……私は不幸を呼ぶの……だから…かな……私は本当の…両親すら知らない……”


“大切な人には生きていて欲しい……それが人を愛する者がとる行動よ?遺した者が悲しもうとも、その人の幸せを願うの……怖がらないで?……アナタは不幸を呼んだりしてないわ?……父様も母様もアナタの幸せを祈ってるのよ……”


“……?”






「……もう、独りになりたくない!!もうあんな思い…したくないの…………もう……イヤ……なの……」


力一杯カカシの胸を押しカカシから離れると、私はミトカが背中を押しながら話してくれた会話を思い返しながらも“失う孤独”には抗えず、俯きながら静かに涙を流した……。
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