第3章 闇地
ありったけのチャクラを使い切り、それでも血が止まらなくて、私の息は浅くなり、カカシに覆い被さる様に倒れ込んだ……死ぬなら……一緒に……私は嘆願する様に紫政を睨みつけ、領域の外では綱手様が何かを叫びながらジラちゃまと印を結んでいた……。
「……ハッ…ハッ……は……ゃ…く……殺し……て……」
「そうだな……二人一緒に死ね!」
紫政の言葉にゆっくりと微笑み目を閉じた……カカシ、私も一緒に………その瞬間、辺りが真っ白な世界に包まれた……死んだのかな……私………。
____ミズキ、ここを出てカカシを助けろ!!
……ダレ?
____ミズキなら出来るよ……
……ダレだろ……?懐かしい……声……
私が優しい声に反応し顔を上げると全身に刺青があり、長い赤髪を束ねた男の人が、子供をあやすかの様に私の頭を撫で、笑顔を向けてくれて私は懐かしい雰囲気に包まれた……でも…もう……。
__________ドッ!!
「ッ!?ミズキさん、カカシ先生〜〜!!」
「自来也!!やはり!!」
「ああ、行くぞ!綱手!!」
「「〔結界馮護術・清庵譲碁(セイインジョウゴ)〕」」
「ッ!?刀が通らない……まさか……」
綱手の言う通り、ミズキのチャクラが代わり、急遽二人で里の全体に強力な結界を張り、その瞬間、紫政が振り下ろした刃がミズキに届いていない事に驚き目を見開いた……やはり……。
「〔龍神眼〕」
「ッ!!」
____行くぞ、ミズキ!
「〔龍宿展篶・空間無限創授〕」
_______ズアア……!
「〔医龍眼・抱擁術 終〕」
「ゥ……」
何だろ……この力……私は赤髪の男の人の意思を無意識のうちに受け取り、次の瞬間、瑠璃色の瞳に龍が左右合わせて六体浮かび上がり、イメージされるまま領域を広げると、紫政の領域を押し退け一帯が宇宙の様な暗闇が数秒広がると、再びカカシの傷へ手を伸ばし術を発動させると血が止まり、カカシの呼吸が深くなった事に安心し、カカシを抱え掌印すると綱手様の前へと移動した。