第3章 闇地
なんだ、この空間……これがコイツの領域…… ミズキのとは違うな……いや、そもそもミズキのは未完成って言った方があってるのかもな……サクラ、焦ってるよな……。
「…な……何……これ……急に景色が……でも外は普通……みんな気付いてないの??」
「サクラ、オレから離れるな?」
「オレはお前たち三人だけを引き摺り込んだつもりだったが……下忍も紛れ込んだか……」
「紫政、ミズキを離せ!!いくらお前でも私や自来也、カカシ相手は厳しいだろ?」
「………オレはアナタ達と争いに来たわけではないですよ?ミズキの眼を手にして、オレの瞳術を完成させるのが目的……だが、ミズキの眼はまだ仮のもの……記憶を奪う原因を作った大蛇丸の所へ連れて行けば全てを思い出すでしょう……その時、オレがミズキを___ッ!?」
「…… 返して貰いますよ………紫政さん」
あの子供……オレの領域に入っても意識を保てるとは……綱手様が師匠か……道理で……さて、無理矢理にでもミズキを起こして___ッ!くくっ、カカシ、正面から来るとは冷静さを欠いてるぞ?さぁ、どうするかな?
…ミズキ…起きて………
……だぁれ………
…起きなさい……はやく……
……もういいの………もう…つかれた……
……それでいいの?本当に大切な人が……カカシくんが……死んじゃうわよ?
冷たい闇の中で私は……懐かしい…心地の良い女性の呼びかけを否定した……けど頬を撫でられて、目を開くと表情は見えなかったけど悲しい声で現実を突きつけられて……私はそのまま現実へと引き戻された。
「_____ッ!ゴホッ、ゴホッ…ハァ、ハァ……こ…こは……?」
「オレの領域だ………」
「ハァ、ハァ…… ミズキ!」
「カカシ、まだ奴の術中だのぉ!下手に動くな!!」
「サクラ、お前は私の後ろに!!」
「ゴホッ……オマ…エ……だ…れ……だ…?」
え……?意味が分からない……なんでカカシとジラちゃまが……戦ってる……怪我してる……それに綱手様とサクラまで……領域?何で?この男は……誰なの?
私は自分の息もままならないまま状況を理解しようと無駄に痛む頭をフル回転した。