第3章 闇地
オレ達はダンゾウを睨みつけたまま綱手様がすぐに解放するように怒り、握り拳を机に叩き付けるのを横目にパックン達の連絡を待ち続けた……。
「とにかく、今すぐに連れて来い!」
「断る…… ミズキを解放して欲しければ上忍にしろ……暗部としてでは他里や抜忍に狙われ続けるだけだ……」
「……それは上忍としても同じでしょう……ダンゾウ様がミズキにこだわる理由は…… ミズキの瞳術ですか……それとも?」
「……言葉が過ぎるぞ、カカシ……表に出れば『あの記憶』は思い出させねばなるまい?さすれば、本当の力が手に入る……今の木ノ葉には必要な力だ」
『失礼、ダンゾウ様……』
「ッ!?………話は終わりだ…………ミズキが居なくなった」
「「「ッ!!?」」」
は?コイツ何言ってんだ?ミズキが居なくなった?ふざけるな…… ミズキが無傷で無事でいるとは思えないっ!?パックン、早くミズキを見つけて!!
「クソっ!!ダンゾウめ!!ミズキを探せ!!」
“ウォ〜オオオン!!”
「パックンがミズキの居場所を!!」
「待て、カカシ!ワシも行く!!」
ダンゾウが姿を消したすぐ後、パックンの遠吠えが届き、オレは自来也様と窓から外へ飛び出し、パックンと合流した所で修行終わりのサクラと遭遇し、慌てたオレ達の様子を察して一緒について来た………。
「パックン、ミズキの匂いは?」
『近いぞ!急に匂いをキャッチしたが、誰かと一緒だ!』
「先生、ミズキさんがどうしたんです?」
「恐らく連れ去られ__ッ!」
『サクラ、カカシから離れろ!!』
『〔龍宿展篶・擬似空間〕』
「きゃあ!?何これ、景色が……幻術!?」
「……久しぶりだのぉ、紫政……やはりお前か…… ミズキをどうする?殺すつもりなら簡単に出来るだろう?」
「お久しぶりです、自来也様……お元気そうで…」
綱手様がサクラに離れる様に声を張り上げたが遅かった……領域に巻き込まれて焦るよな……この中に入っても意識保てるってホント、成長してるよ……サクラを背に守りながら自来也様の横に立ち、紫政と呼ばれる男の腕の中で意識のない、血だらけのミズキを見て迷う事なく額当てをずらした……。