第3章 闇地
……ここは……?
“……ック……ウェ〜ン…コワイよぉ……”
……子供の…泣き声……?
一体、何処に………真っ暗で何も見えない……
………こっち……かな……?
“……ヒック……ヒック……”
……みつけた……ねぇ、どうしたの?
……どうして、ないてるの?
……まいごかな………アレ……この子は…?
『…ッ!?』
“ ……どうして、わたしだけ……いきてるの? ”
『…や……』
“ どうして、みんな、しんじゃったの? ”
『……やめ……』
“ どうして、だれも、まもれないの…? ”
『……ごめッ……さ……い……』
“ ……また、たいせつなひと……いなくなるよ? ”
『……やだ……もう……』
“ わたしはよわいから…… ”
『ッ!もう、やめてぇッ!』
泣きじゃくる少女が顔を上げ私と視線が交差した瞬間、理解した………瑠璃色の瞳……子供の頃の私……違和感は私には無い紋様は………白いワンピースと手が血に染まってて……今まで守れなかった大切な人たちの血……だと理解した………。
少女の私は澄んだ眼で、震える私を見つめ血塗れの手で頬を包み込み教えてくれた………私の……よわさを……。
“ ………早く、思い出して……ワタシたちにとって大切なこと……とても、大切なこと……怖がらないで……光は見つかるから……もう……近くにあるから…… ”
私は少女の手をふり払い、闇の中へとうずくまり泣き続けた………もうこのまま何も見ず何も聞かず居れたら良いと願いながら………その時、幼い私が口にした大切な言葉も私には届く事なく、ただ暗闇の中へと消えていった……。