第2章 葛藤
ミズキが泣きながら意識を失い、オレは大切にその身体を抱き抱えて、里へ戻る途中でナルト達の背中を見つけ、追いつく様に足を早めた。
「……お久しぶりです、綱手様…」
「ッ!!カカシか!それにミズキッ!?どうした?やられたのか……?」
「いえ、実は_____」
「……なるほど……シズネ、ミズキの手当てを…」
オレは久しぶりに逢う綱手様へ挨拶を終え、ミズキの症状とここ数日の出来事を伝えると、付き人のシズネに治療を任せオレ達は木陰に腰を下ろした。
「ハハッ!ミズキも相変わらずだね?相談役のジジィ共とダンゾウにまで啖呵切るとは……で、媚薬を盛った犯人は分かってるのか?」
「……恐らく、医療忍者のハルナかと……証拠はありませんが……」
「……お前の手癖の悪さが原因か?」
「うっ……ま、まあ……ですが、オレが原因なのは間違いありません……」
「カカシ、お前、ミズキにキス以外の酷いことしたんじゃないかのー!?めちゃくちゃ泣いた跡があるではないか!!羨__っぐぅ!!」
「黙れ、自来也!!コイツは落ちてもミズキにそんな事はしないよ!!」
「……???なーなーなー、さっきからセンセー達、何の話……?」
「ナルト、お前にはまだ早い……気にしなくていいから……はぁ……」
「ミズキさんの媚薬の効果は殆どありません、数時間程で目を覚ますと思います」
「そうか、カカシ、とりあえずお前の家で預かってくれ!病院に行くとそのハルナとかいう奴が次に何をしてくるか想像がつかないからな?」
「分かりました……」
「くれぐれも…… ミズキに手を出すなよ?」
「……オレってそんなに信用ないですかね…」
「ないっ!忍としては一流だが、女癖の悪さは自来也と一位を争うな!……ったく、その本がルーツか?」
治療が終えるまで、ここ数日のダンゾウとの出来事や現在の任務の状況を伝え終わるとシズネが治療を終え、オレは再びミズキを抱き抱え、先を進み始めた……そして数時間で阿吽の門へ到着すると綱手様達と一度別れ、自宅へと足を進めた……さて、これから忙しくなりそうだな……。