第2章 葛藤
私が身を乗り出しダンゾウへ掴み掛かろうとした瞬間、ライトさんに羽交締めされてもダンゾウに向かい睨み合うと相談役の二人が私たちの間に入り、辿々しく私たちを見据えた。
「……アンタらもダンゾウ様と同意見か?ヒルゼン様と同じ班で共に木ノ葉を背負って来た方々が堕ちたな……?」
「なッ!?ミズキ、言葉が過ぎ__」
「私は歴代火影たちが残した火の意思を受け継ぐ……私はアンタらとは違う……里を盾にするならすればいい……綱手様が五代目として里を治めるまで、私も全力で木ノ葉も仲間も護る!!話は終わりです、お引き取りを……」
「………後悔するぞ?ミズキ?」
「後悔なんて、ずっとしてる……だけどね、アンタらに従う位なら死んだ方がマシよ?」
「……ホムラ様、コハル様、ダンゾウ様…… ライの無礼は私が詫びます……が、今日のところはお引き取りを……私とてロ班隊長であるライが、指令とあれど、急な上忍への引き抜きには容認出来ません……然るべき手続きでお願いしたい……」
「ライト、お前も歴代火影どもの甘さがあるな?まぁいい…… ミズキの無礼については五代目火影が着任後、正式に受けて貰おう……行くぞ、ホムラ、コハル…… ミズキ、ワシに楯突いた事、後悔するぞ?」
「……後悔はなんかしませんよ…、ご心配なく……」
クソ狸どもが……もう来んな!!何が代償だ……何でも受けてやるよっ!……あ……や、やっちゃった……ライトさんが深々と老兵三人に頭下げて見送ってる……あー……ヤバい……ご、ごめんなさい……。
「………ぁあ〜〜〜〜〜っ!!ミズキ、やりやがったな……自分から火の中に飛び込みやがって!!」
「……すみません……」
「いや、お前は間違ってないよ!にしても……いや、そんな事より今はこっちだな?情報を整理して、朝にはシカクさん達と対策案を練るぞ……」
「……ぇえ…」
オレは三人が部屋を後にした後、ドアを閉め、額に手を乗せながら空を見やり、声にならない叫びを上げ、涙目でミズキを睨み付けたら、謝りながら子犬の様に肩をすくめたミズキに笑みを浮かべ、頭を撫で気持ちを切り替えさせると明朝に備えて更なる情報を集め始めた。