第2章 葛藤
オレは部屋の前で二人の話を聞き、すぐに部屋に入りミズキを抱き締めたい気持ちを抑え、そのままミズキが任務に向かうまでその場に留まった。
「……サクラ、ありがとな?ミズキの話、聞いてくれて……本当はサスケを診てやりたいんだろうな……だけど、火影様不在の中、オレ達上忍や暗部は最低限の人数で里を護ってるから……悪いな…」
「カカシ先生……聞いてたんですか……?」
「…… ミズキは『うちはの事件』の後、ずっとサスケを守ってたからな……」
「なんでミズキさんがサスケくんを……?」
「………ま、それは色々あってね!さて、オレも明日から任務尽くしになるだろ〜し、サクラ、お前もちゃんと休めよ?急に任務入るかもしれないぞ?」
「……はい……それより、カカシ先生も早くミズキさんをちゃんと捕まえて下さい!カカシ先生がミズキさんを好きなのは態度見てたら分かります!!ミズキさん…泣きたいのに泣けない感じでした……それに誤解も解かないと!!」
「ははは……女の子だねぇ……」
サクラはオレが部屋に入ると驚きながら眉をひそめ、ミズキが泣けずにいる事を教えてくれた……それに恋話に敏感な教え子に苦笑いを浮かべながら部屋を後にすると、翌朝より任務に着き、暫くミズキと会う事なく時間が過ぎて行った……。
「……お前達の目的はなんだ?木ノ葉を襲いに来ているというより……」
「ふ…ふふふ……オレ達は音の残党……お前らの里を壊すのが目的……」
「壊すのが目的なら既に多数で襲いかかってるだろ?大蛇丸の息がかかってるんだからね?何を調べてる?」
「木ノ葉の忍に教えると思うか?既にある程度の情報は整った……ッ!?吠え面描くぞ?お前ら木ノ葉___その…眼……お前……」
「……なるほど……木ノ葉の結界を調べてるのか…?」
「ッ!?何故!?」
「……さっき教えてくれたでしょ?私の領域で?ありがとう、さようなら……」
「…がっ……ァ……」
やっと掴んだ……数日間怪しい動きをする音の残党を捕まえるのに少し時間がかかり過ぎたな……探知結界を解くための音式か……クソっ!……これはまずい……私は残党の息の根を止めるとすぐ様に里へ向け走り出した……。