第2章 葛藤
私はサクラを落ち着かせる様にナルトが探している伝説の三忍の一人、医療忍術のスペシャリストである綱手様の帰還を待つように言い聞かせ、今すぐサスケが起きて居なくはならない事を告げた……。
「…綱手…さま……?」
「うん、私が尊敬する忍の一人よ?きっと、サクラも逢えば凄さがわかるわ?」
「………だけど……私はサスケくんから離れたく無い……サスケくんが目覚めるまでは一緒に居たい…です…」
「……サクラ……何もしてあげられなくて、ごめんね?……私とアスマの言い合いは初めから聞いてた?」
「………はい……」
サクラはホントにサスケの事が好きなのね……不安で堪らないんだよね……この素直さ、羨ましいな…………。
「……実はね、アスマの言ってた事、間違ってないの……『カカシは特別』…って言ってたでしょ?……私にとってサスケも大切だけど、それ以上にカカシは特別なの……多分……」
「…え…?」
「……私はね、幼い頃に私以外…… 龍香一族って言うのかな?よく分からないんだけど、みんな殺されてるの……私はその事を全く覚えてないの……誰の事も……自分の両親の事さえも……」
「……そ…そんな……」
「フフッ、そんな顔しないで?大丈夫、それから私は四代目火影様に育てられたの………パパの教え子って事もあるけどカカシはね、小さい頃から居るのが当たり前なの……楽しい事も辛い事も一緒に見てきた……カカシは私の弱さをどんな時でも受け止めてくれた……私にとってカカシは唯一の気を許せる理解者……護りたい大切な人なの……」
「…それって……」
「でもね……私の命に代えても護りたい人たちは、私の手の中からいつもこぼれ落ちるの……仲間もパパとママも三代目も……………」
「___ッ!で、でも、それは__ッ!」
「私が特別で大切に想う人は…私の前から居なくなる……私は…もうこれ以上、私の目の前で誰も失いたくないの……」
私はサスケの頭を撫でながらサクラに私の過去とカカシとの関係を教えるとサクラがまた泣きそうになるから、頭の上に手を乗せ優しく微笑んだ……そして窓の外をただ見つめ、弱さを見せるとサクラは不安そうに私を見つめ、私の手を握り締めてきた……。