第2章 葛藤
あー、ヤバいな、アスマ……お前、地雷踏んだ……紅も冷や冷やしてるし、ミズキ、キレそう……オレは愛読書を手に窓に背を預けたままのミズキを横目で見やり、外で感じる気配に小さくため息を吐いた……。
「…… サスケは綱手様に任せよう……腕も折られてるし、今起きたら間違いなくイタチを追うよ?里を抜けてでもな?ま、そう言うわけだッ!シカマル、サクラ入って来ていーよ!」
「ッ!?……シカマル、お前……」
「あー……いや……まぁ、あれだ!サクラ、ナルト達が戻るまで待つしかねーよ!オレ達下忍に出来る任務も少ないしな?」
「…………ごめ…なさい………」
「そう言うわけだから、アスマ、ミズキ、もうお終い!」
「あ?終われねぇだろ?ミズキ、この際だから言わせて貰うがさっさと表に出て来い!木ノ葉崩しでお前の存在もバレたんだ!暗部のままだと____」
「ッハ……好き勝手言うな!!……私が上忍??フフッ…笑わせんな……私は上忍になる資格はないんだよッ!!私には誰も護れない、この眼のせいで里に危害が加るだけ!!この眼がなんなのかも分からない私が光の下に出る事は出来ないんだよ!!人の気も知らないで勝手なこと言うなよ!!私は___ッ」
「ミズキ、もういい……アスマ、もう終わり!これ以上言うならオレが怒るよ?」
「……悪い……」
カカシの声でシカマルとサクラが病室に入ってきて、直ぐに二人が来た理由が分かった……けどアスマは話を終えなくて……私が気付いた時にはカカシに抱き締められ、涙がカカシの胸に吸われてる状態で、カカシの怒りとアスマの謝罪とシカマルとサクラの怯える空気を感じながら誰にも見えない様にカカシが体で私を隠してくれた陰で……私は自分の力の無さに肩を震わせた……。
「失礼、ミズキさん、ライトさんから緊急任務です…詳しくは行きすがら…」
「……分かった……」
「コレを……」
「………アスマ、ごめんね……」
病室に一瞬、静けさに包まれた……その時、ネコの面を付けた暗部が現れ、私に面と任務の巻物を渡し、任務を告げた……テンゾウ、ナイスタイミング……私は差し出されたキツネの面を受け取り、面を付ける瞬間、アスマの言いたい事も分かってる……ごめんと小さく謝り静かに姿を消した。