第2章 葛藤
オレは乱れる息を整えながらミズキの眼を見つめた……龍神眼……オレの言葉にアスマさんと紅さんは警戒してる……だが、このままでは本当に消えて貰うしかないな……。
「……この人は四代目火影のもう一つの遺産……『龍香 ミズキ』…… ミズキさん、面をされていないという事はやっと上忍になられたんですね?」
「……いいえ、レアな日よ?アスマ、紅、目を開けて!イタチの目を見なきゃ大丈夫……それからカカシを連れてここから離れて!」
「ッ!お前、コイツら相手に一人は……」
「問題ない……みんなを庇いながらの方が難しい……」
「アスマ、ミズキの言う通りよ!このままだと足手まとい!カカシも動けないし、目を見ずに動きを把握するのは難しいわ!」
「チッ……」
「…… ミズキ……やめ……ろ……ぐっ……」
「カカシ!!アスマ、行きましょう!ミズキ、すぐに応援を____ッ!」
私は龍神眼で感覚を研ぎ澄ませ、二人にカカシを連れて離れる様に伝えると反対されたけど、カカシが倒れて、紅が説得してくれて……二人がカカシを連れて離れようとした瞬間、鬼鮫が動き私の横を通り過ぎた……。
「(この方が龍香の……以前見た時の瞳とは文様が違いますが……この方のことは里ではご法度でしたか……?イタチさんの手前、口にするのはやめときましょう……)
イタチさんはあの二人には消えてもらうと言ったでしょう!行かせませ____ッ!?」
「私は『行ってくれ』って言ったのよ」
「(ッ!私の鮫肌を切先だけで止めるとは…)」
「〔木の葉剛力旋風!!〕」
「(な、何ぃ…!)誰です!?」
私は通り過ぎた鬼鮫の下に瞬時に移動し、振り下された鮫肌を切先で受け止めると次の瞬間、旋風が巻き起こりガイが鬼鮫を蹴り飛ばし私の横で構えてた……正直助かった……。
「大丈夫か、ミズキ?…オレが手配した暗部の増援部隊が来るまで少しの間、相手をしてやる」
「いい度胸ですねぇ…」
「鬼鮫…、止めだ……オレ達は戦争をしに来たわけじゃない……これ以上はナンセンスだ…帰るぞ」
……鬼鮫の攻撃を受け止めるとは……無謀だ…暫く腕に力が入らない……ガイさんが来てくれて助かったな……オレは鬼鮫に声を掛け、踵を返し横目でミズキと視線が交わった。