第2章 葛藤
オレの背中に懐かしい気配がある……お互い様子を伺っていると言うところか……オレは静かに眼を閉じ、彼女の反応を待った。
「……久しぶりなのに、挨拶なしって酷いんじゃない?」
「……里の方に会うつもりはなかったので……」
「これだけ派手にやっておいて?」
「次から次へと……イタチさん次はどなたです?アナタの背後を取る方なんて?」
鬼鮫がイラついてるな……だが、お前にこの人の相手はさせられない……オレは鬼鮫を見据え静止させると背を預ける主と会話を交わし短い時間を過ごした……。
「………ミズキさん、引いていたただけますか?」
「イタチが捕まってくれるなら」
「……交渉、決裂ですね」
「それは残念……」
私はイタチと短い会話を交わし、互いに振り向きざまに刀とクナイぶつけ合い、イタチの蹴りを脚で受け止めたけど……やっぱり強い……押し負け、カカシ達の前に着地し、鬼鮫も同時にイタチの横へと着地した……カカシもイタチも息が上がってる……『月読』を使ったみたいね……。
「イタチさんのスピードについて来るとは、面白い方ですね」
「……ハァ…ハァ……」
「…ぐ……探しもの…とは……サスケのことか?」
「……いや、四代目火影の遺産ですよ……」
「四代目火影の……遺産だと…?__狙いはナルトの中の……九尾か…?」
「「ッ!?」」
イタチの答えに私の中の黒いものが渦巻く……ジラちゃまの言った通り……狙いが九尾であることにアスマと紅は驚き表情を浮かべてる……コイツらはここで終わらせないと……。
「…動いてるのが……お前らだけじゃないのは知ってる……組織名は___」
「『暁』……だったわね…?」
「…鬼鮫…!カカシさんとミズキさんは連れて行く、その他の方には消えて貰おう」
「ふざけるなよ、イタチ……ナルトが狙いで私が易々とお前らを逃がすと思うか?お前らは今ここで殺す!!」
「ッ!?眼の色が変わった……瞳術使いですか……イタチさん、この方……一体、どなたです?」
私は苛立ちを隠せずカカシの言葉に続けて組織名を告げると、イタチが眉をひそめた……そして私たちを連れて行くというけど……私は本気でお前達を止める……私はチャクラを練り上げ龍神眼を出し殺気を放つと鬼鮫は嬉しそうにイタチへ声をかけた。