第4章 記憶
ミズキは父と母の命の気配が消えかけている事に気付いてる……もちろんオレも気付いてる……戻って治療をしたいが、二人とも致命傷だ……それにレンジはミズキが戻ってくる事を望んでない…… ミズキ、お前が無事に木ノ葉で保護される事を望んでるんだ……。
くそ……早く増援が着かないのか?雑魚どもの攻撃を避けながら里の中枢へ向けて急ぐが……雑魚とはいえ多過ぎる………それにレンジがやられた時からミズキの様子が変だ……。
「ッ!!?黒龍、戻ってっ!!とーさまとかーさまがっ!!お願い……助けるの……私は一人になりたく無いっ!!ずっと、ずーっと、とーさまとかーさまと一緒に居るのっ!!だから戻って〜〜!」
『…… ミズキ、すまない……二人は戻っても助かる可能性が低い……それに既に前方も後方も囲まれてる……戻るのは困難だ……だったら、オレはレンジとの約束を守る…… ミズキ、お前を護る……』
「ヤダっ!戻ってよっ!!!」
『……レンジとの約束だ……オレはミズキを安全なところまで__ッ!』
「……じゃあ、止まって……コイツらが居なくなれば、とーさまとかーさまの所に戻れるんでしょ?とーさまとかーさまは私が必ず治すからッ!!」
「このクソガキ、やっと捕まる気になったか?コレで大蛇丸様の____ッ!?」
「〔龍宿展篶・空間無限創授〕」
「「「…………」」」
オレは目を疑った……レンジが封印したはずの龍神眼を戒呪した……?しかも“ 龍宿展篶”まで……?ミズキ、お前は……
「黒龍!」
『「〔龍神・龍終散(リュウツイセン)」』
______ドサササッ……
「これで良い?行くよ、黒龍……」
『…………』
ミズキは領域内に追っ手を引き摺り込むと追手の過半数は空間に入った瞬間倒れ込み、残りも意識は保つも全く動けず困惑する中、ミズキはオレを手に無数の斬撃を飛ばすし、一瞬にして敵を片付けた……そして、領域を解くとオレの方を振り返り、一歩前へ進み始めた……。