第4章 記憶
もう……何も見たくない……見なくて済むように固く目を閉じるも無惨にも映像が頭の中に流れ込み、私は震え泣きながら闇へと堕ちる感覚を覚え始めた……。
………とー…さま……かーさ…ま……もう…ヤダよ……大蛇丸……アイツが……ヒルゼン様も……一族も………私が…生まれてなければ……
……もう…いい………もう見たくない……もう……壊れた方がマシ……返してよ……私の……家族………大蛇丸……ここだけでも……お前は……ッ!!?
『ミズキ、これは過去の記憶だよ……どんなに辛くても、もう戻らない……』
『……カカシ……なん……で?』
『……… ミズキが泣いてるから……』
『…………』
『オレもいる……外では自来也様も綱手様も……だから、見届けよう……レンジさんとミトカさんの生き様を……』
『………うん…』
ミズキの精神空間で突如禍々しいチャクラを感じて、その場へ急ぐと、虚な眼をしたミズキが涙を流しながら大蛇丸を睨み付け、黒いチャクラを練り上げ、地面を蹴ろうとした瞬間だった……間に合った……オレは腕を掴み、そのままミズキを抱き寄せ、驚くミズキに優しく微笑み、震える身体を安心させる様に強く抱き締めた……。
“良かった、ギリギリ間に合った!”
『ああ…… ミズキ、一人で無理させてごめん……』
『……ううん……カカシ……ありがとう……』
フウも安心してる……私はこの温もりが好き……カカシの腕の中で感じる鼓動に静かに怒りが和らぎ、涙を拭い前を向くと、戦いの続く光景を見つめ、カカシはそっと手を繋いでくれていた……。