第4章 記憶
ミズキの身体の紋様が赤黒く染まり、涙を流しながら声を上げ、禍々しいチャクラが飛び交い、オレは自来也様の指示で綱手様と入れ替わり背後からミズキを抑えると、フウが姿を見せて、再び強制的に術を解こうとするのを静止し、ミズキが舌を噛まない様に自分の腕を当てながら話を進めた。
「ッ!フウ、オレも入れる?オレが中でミズキを抑える!」
『……それは可能!だけど、ミズキの精神が壊れた時は、最悪、カカシも死ぬよ?』
「ははっ、大丈夫!それに次は無いでしょ?だったら、今、無理させた方がマシだ!!」
『……分かったよ……急ごう…… ミズキが中で攻撃でもしたら精神がヤられる!!結構もう限界!!行くよ!!』
「カカシッ!!任せるぞ!!」
「はい!綱手様、自来也様、よろしくお願いします」
一か八か……間違いなくこのまま行けば、ミズキを喰べなくてはいけないだろう……だったら、少しの可能性にかけてみるしかないね……ボクはカカシの覚悟に静かに頷き、ミズキの術式の紋様がカカシへ広げると、カカシは一瞬にして暗闇の中に入り込み、ミズキの気配の感じる方へ足を早めた。
「……大丈夫かのぉ……」
「大丈夫だろ……どちらかと言えば、私は記憶が戻った後の方が心配さ」
「……それもそうだのぉ……」
「まぁ、レンジとミトカ……そして……」
「ミナトとクシナの娘だからな、ふっふっふっ!まぁ、大丈夫だろ?最強の親が二人もいるんだからのぉ!」
「ああ、ミズキ、カカシ無事に戻れよ!」
ワシらは暫くしてミズキの紋様が落ち着いたのをみると肩を撫で下ろし、懐かしい仲間達を思い出しながら、どこか安心した様に笑い始め、少しの休息を取った……。