第4章 記憶
……くっ……やっぱり、強い……このままじゃ、確実に殺られる……結界を外してミトカも加勢してくれたけど……力の差がこれ程までとはな……くそ、ミズキだけでもここから避難させたいが……アレをやるしかないな……。
「ハァ、ハァ……ぅくっ!!」
「……レンジっ!?」
「そろそろ終わりにしましょう?アナタ達も苦しいでしょう?他人の治癒は出来ても自分自身は治せないのよね?大人しく渡してくれてたら助けてあげるって言ったのに、バカね?」
「はっ、オレ達にモルモットとして生きろって言うのか?ふざけるな……それに、終わるのは先生の方だよ!」
「ミトカに治療して貰っておきながら強がりを……アナタ達は弱いのよ!!」
「ッ!?きゃあっ!」
「ッ!?黒龍!!!」
先生も息は上がってる……だけど、確実に押されてるのはオレだ……腕を噛まれ蛇毒にあたったのをミトカが治療してくれて辛うじてやり合えてるけど……クソっ……先生の言葉に苛立ち睨み付けた瞬間、突風の刃を飛ばされ、ミトカの庇う様に抱き寄せ、黒龍を具現化させ、相殺させる様に刃を飛ばした。
“……もぉ……イヤ……やめて……どうして……”
“ッ!ミズキ、大丈夫……僕が側にいる……落ち着いて?”
マズイな、ミズキが涙を流しながら震え出して、固く目を閉ざした……口から血が……あっちはどうなってるかな……?ボクは、ミズキに擦り寄りながら現実世界の状況を確認した……。
『ぃあああああああぁーっ!!もう…見たくない……知りたくない………やめてぇええええーっ!!』
「くっ!カカシ、ミズキを抑えろ!!こっちはワシと綱手に任せろ!!」
「ミズキ!!ッ!ミズキ、落ち着いてっ!!」
『……限界だね……向こうも危険だし……仕方ない…強制的にッ!!?』
やっぱり……こっちも耐えれそうにないな……精神が壊れる前に術を解くしかない……カカシがミズキが舌を噛まない様にしてくれてるのか……ボクが姿を見せ強制的に術を解除しようとした時、カカシの声を聞き、ボクは術の解除を躊躇した……。