第4章 記憶
扉を開くと夜中なのに炎で明るい集落、遠くに見える里……そして、目の前には一族を皆殺しにした張本人……大蛇丸……いや、当主として守れなかったオレも同罪か……。
「ふふふ、最期の話は出来たかしら?久しぶりね、レンジ、ミトカ?」
「ホント、お久しぶりですね、“大蛇丸”先生……いや、大蛇丸!」
「さぁ、私が来た理由は分かるでしょ?それに私は、アナタにはもう興味はないの……そもそも、その力のために私が鍛えてあげたのに、肝心な日にアナタ、ミトカを助けに行って居なくなったからね?」
そう……親父が死んだのも先生の罠だった……オレはあの頃、多くの者を犠牲にしてでもミトカを選んだ……あの時からオレは当主の器じゃなかったんだ……。
「だから、オレの代わりにギンとキクが死んだ!!アンタの実験体としてな?アンタが里を抜けるまで、知らなかったよ……オレの瞳術と身体が目的だったなんてな?」
「ふふっ、失礼ね?あの子たちは喜んでたわよ?レンジ、アナタと違って私に従順だったから……さぁ、昔話はもうお終い…… ミズキちゃんだったかしら?アナタ達の娘を渡して?」
「冗談じゃねー!お前なんかにミズキを渡す訳ないだろっ!!お前は今、ここでオレ達が殺す!!」
「フッ……アナタ達が束になったところで私に勝てるかしら?」
「行くぞ、ミトカッ!!暴れるぞ?」
「ふふっ、ええ!!」
「ッ!?少しは成長したようね?ふふ、私を楽しませて頂戴、レンジ、ミトカ!」
恐らくこの周辺には結界が張られてるな……里の者が気付くのは時間がかかる……オレ達でケリをつけなきゃ、ミズキが危ないな……オレとミトカが挟み込む様に左右から同時に攻撃を仕掛けるも簡単に止められた……他里の上忍クラスへは致命傷を与える速さの攻撃なのにな……流石は伝説の三忍……でも怯んでは居られねぇ〜んだよ!!
「ミトカ、ここはオレがやる!お前は結界を壊せ!」
「分かった!」
「……… ミズキちゃんさえ渡してくれたら命だけは助けてあげるのに」
二人での攻撃は体力を奪われるだけと判断し、ミトカを引かせ黒龍を構え直すと大蛇丸も口から草薙の剣を吐き出し同じく構えた……剣術はオレの方が上……結界が壊されたら異変に気付くだろ……まぁ、それまでには終わらせる……。