第4章 記憶
翌日、オレたちはミズキを連れて源流の下を訪れ、通された茶の間で大人しく源流の到着を待っていた。
「とーさま……?」
「んー?大丈夫だよーミズキ」
「久しぶりだな、ミトカ……」
「……お久しぶりです、父__」
「お前に父と呼ばれる筋合いはない……で、引き渡す気になったか?」
「……レンジ、ミズキの耳、塞いで……こっちもアンタを父と呼ぶ気はハナから無いわよ……それにミズキを渡すわけないでしょ?今日は忠告に来ただけ……次に手ェ出してみろ??私の手でてめぇら殺すぞ!!後、アケル兄さんもこっちに戻す…… ミズキには触れさせない!!」
「……相変わらず口が悪いな……アケルを戻すか……まぁいい……だが、どうするつもりだ?お前達は任務に出る……その間、ミズキはどうする?閉じ込めるのか?」
あー……ミトカがキレた……オレは大人しくミズキの耳を塞ぎ、源流に身体を強張らせるのが伝わって、安心させるように頬を寄せると可愛い笑みを向けてくれた。
「くくっ…そんな事、オレ達がするわけないでしょう?ちゃんと三代目と話は付けてますよ?それに、ミズキの龍神眼には然るべき日が来るまで既にオレが封印術をかけてます……」
「ッ!なに?!貴様ら……勝手なことをッ!」
「もう私たちの世代の様にはならないわよ?巫女は不要…… 龍香を終わらせる!」
「ば、馬鹿を言うな!!何を言ってるのか分かって_____」
「分かってますよ?現当主はオレだ、龍香 レンジの決め事に逆らうか?侵入も不問にしてやったんだ……逆らうと言うなら源流、お前たち血筋の力を封印するだけだが、どうする?」
「くっ……」
「龍香は力が全ての一族だ……そう仕向けて来たのは他でもない、アンタら過去の腐った思想だ!オレ達の娘にはその思想は必要は無い!」
「ミズキが一族外と一緒になれば___」
「しつけーな、万が一なんざ、その時になんねーと分かんねーよ!話は以上だ……もう一度言う……次はないぞ?」
オレはミトカに代わり口を開くと源流に反論させない様、話を続け釘を刺した……そもそも誰から龍神眼の事を聞いたんだ?オレは疑念を含ませ睨み付けると、ミズキを抱き上げ腰を上げた。