第73章 紅の修学旅行 鮮紅編10
新一side
新一「おい服部!事件だ!」
服部「あかん…もう食えへんでぇ…」
新一「寝ぼけてねぇで早く起きろ!事件だ!」
服部「ふぁ?」
★★
1504号室
綾小路「ホンマに阿賀田さんはそんな声を上げてはったんですか?」
景子「はい。隣の部屋にいた私にも聞こえるぐらいの大声で…助けてくれ~殺されるって」
バンッ
新一「景子さん!」
景子「新一君!」
俺と服部が部屋に着く、怜花や綾小路警部も居た
綾小路「あんさんが工藤新一君ですか…おや?後ろにいてはるのは確か…大阪府警本部長の息子さんの服部平次君。なんであんさんまで?」
服部「く、工藤にホテルに遊びに来い言われて、たまたま来てたんや!それより何があってん?」
綾小路「この部屋の阿賀田さんが奇妙な声を上げてはって、今、ボーイさんに部屋の鍵を開けてもらうところです」
貴「…昨日の事件現場見たから、悪い夢に魘されてるとか?……阿賀田さん?入りま………!」
新一「…?どうした、れ」
ドンッ
新一「!?怜花?」
貴「あれっ…」
服部「何や……!?」
新一「!!」
綾小路「!」
怜花が顔色を変え抱きついてきて、指を指した場所を見ると俺達も言葉を無くした…
ベッドに片足をかけた阿賀田が仰向けで床に倒れていて、その真上に……巨大な天狗が居る。
天井から上半身を出した天狗が牙を剥き出し、血走った大きな目で阿賀田を睨んでる。
阿賀田「ゆ、許して…許してくれよ…」
新一(て…天狗!?)驚
服部「おい!何か武器持ってないんかい?!」
綾小路「………いや…」
俺は怜花を外に出し、服部と一緒に天狗に向かって駆け出す。
それと同時に阿賀田がテーブルにあった灰皿を掴んで天井に投げる
火のついたタバコが入っていた灰皿が天狗に当たった瞬間……天井にボワっと炎が燃え広がる
服部「…工藤、オレらまだ寝ボケてるんとちゃうんやろな?」
新一「…」
燃え広がった炎が一瞬にして消えたかと思うと、そこにはもう天狗の姿はなかった…