第71章 紅の修学旅行 鮮紅編8
貴方side
馬山「ああ、それは付箋だよ。貼りやすくてはがしやすいって、西木は最近よくそのタイプの付箋を使っていたんだ。
映画がノベライズされるから、脚本をホテルに持ち込んで手直ししてたからね」
景子「映画公開までに仕上げるって、張り切ってたのに…」
馬山「ちょっと失礼」
世良「なぁ。この部屋に十分後に集合して食事に行く予定だったって言ってたけど、最初にこの部屋に来たのは誰だ?」
井隼「そ、それは俺と阿賀田だけど…」
阿賀田「来たときはもうドアベルを鳴らしても返事はなかったよ…」
貴「それが本当なら、十分間で犯人は西木さんを殺して天井にこの血の跡つけたってことになるね」
世良「ああ…」
新一「それで?警察には連絡したんですか?」
馬山「ああ、それならこのドアを開けてくれたボーイ通報してくれて、京都府警の綾小路とかいう警部さんが来てくれると、今連絡があったよ」
世良「京都府警の綾小路警部ねぇ…」
貴「…綾小路警部か。シマリス連れてくるかな」
新一「その人なら、シマリスを連れてる妙な警部だけど、割と切れる人だから心配……!?」
話の続きを切ったかと思えば苦しむ新一……まさか、薬が切れた…?
世良「ん?どうかしたか?」
新一「い、いや…なんでもねぇ…」
世良「…大丈夫なのか?」
新一「あ、ああ…とにかく、あとは任せたぜ…世良」
世良「お、おい」
馬山「き、君。大丈夫なのか?」
新一「ええ。後は警察に…。世良を残しますので、何かあれば…彼女に…」
蘭「新一!?顔、真っ青だよ」
園子「中、そんなにひどいことになってるの?」
新一「あ、ああ。だから、オメーらは中に入るなよ…」
蘭「…新一?」
貴「蘭!新一、具合悪いからトイレ付き添ってくる!」
新一「!」
新一の腕を自分の肩に掛けながら、蘭に伝える
蘭「1人で大丈夫?一緒に…」
貴「大丈夫大丈夫!先部屋戻ってて!」
蘭「う、うん…」
★★
とりあえず、トイレ近くに来たが…
貴「…新一、哀から薬はもう貰ってないの?」
新一「…っ…まだ、貰ったのがあるけど……灰原との約束で、8時間は置かないと行けねぇんだよっ…」
貴「ええ!?どうすんの…もう、切れるんじゃ…」