第70章 紅の修学旅行 鮮紅編7
貴方side
馬山「十分後にこの部屋に集合して行こうってことになってたんだけど、いくらドアチャイムを鳴らしても返事がないから、ボーイさんにドアを開けてもらったらこの有様で…」
貴「…!!」
新一「?」
世良「どうした?」
貴「2人とも…上」
新一/世良「!?」
天井を見上げた光景それは…鮮やかな赤い大きな血飛沫の広がり。
世良「まさに…血天井だな」
新一「ああ」
貴「ねぇ。天井についた血の足跡が、窓まで続いてる」
その足跡は点々と続き、開いた窓のカーテンボックスにまでべっとりとついている
世良「…おそらく犯人は、被害者を天井まで吊り上げて斬殺し、窓まで天井を歩いていってこの15階の窓から消え失せたかのように見せたかったんだろうな。
まるで、飛翔可能な翼と、人の体を自在に操る神通力を兼ね備えた化け物の仕業に…」
景子「そ、それって、天狗…?西木君は天狗に殺されたっていうの…?」
井隼「ば、バカなこと言うな!」
景子「だって…空が飛べて神通力を持ってる妖怪っていったら…」
阿賀田「な、なにいってんだよ!そんなの現実世界にいるわけいだろ!?」
景子「でも、そうとしか…」
馬山「天狗はファンタジーだ。この前まで我々が撮ってきた映画ぐらいにしか存在しないよ。そんな架空の魔物に西木は殺されたって言うのか?」
新一「でも。犯人は、是が非でも天狗の仕業に見せかけたいようですよ?」
貴「被害者の懐から、天狗がよく持ってるヤツデの葉が入ってる。それと一緒に、新たな暗号も追加…」
その暗号も一枚目同様、黒い4つの四角の横に漢字がイビツに並んでいる
貴「ってことは、先週西木さんに届いたこれと似た暗号ってのは…殺人予告だったんじゃ?」
井隼「殺人予告って…おいおい、新しい暗号が出てきたってことは…」
景子「また誰か殺されるっていうの?」
世良「あんたたち、この暗号を考えた出栗って奴に恨まれてたんじゃないのか?」
井隼「そ、そんなことはないよ…なぁ?」
阿賀田「あ、ああ…」
新一「まぁなんにせよ、週末に公開されるあなたたちの映画、『紅の修羅天狗』に不満を持った人物の犯行でしょうね。その脚本がこんなに床に散らばっているんだから」
貴「あ、脚本の所々に貼ってるツルツルの紙は?」