第63章 心のこもったストラップ13
貴方side
貴「何で、ここに…」
真田「近くで晩飯食べててな。で、今帰る所で怜花ちゃんと運命的に会えたっちゅうわけや!」
貴「……ち、近いんですが…」
手を握り顔を近付ける真田さんに、驚きながら話す
比護「離れろ、貴大。困らせるなよ」
真田「ええー…で」
比護「ん?」ニコ
真田「そ、そろそろ帰りましょか。比護さん!」汗
貴「?」
冷汗をかきながら離れる真田さんに、不思議に思っていた。
すると、思い出したように比護さんが話す
比護「怜花ちゃん。良ければこれ、貰ってくれないか?」
貴「…これ」
渡してきたのは、哀が欲しがっていたぬいぐるみストラップ。しかも2個もあるんだが…
比護「俺達も貰ったんだけど…ストラップとか付けないから、良かったら」
真田「俺のも!」
……こんなに貰っても……
どうしようか迷ってるが、2人の好意は流石に無視は出来ず受け取る
貴「あの、これいくらでしたっけ…」
比護「いや、お金は要らないから」
真田「俺等があげたんやから!」
貴「でも………!じゃあ、暇な時私がバイトしてる喫茶店に来て下さい。奢ります!」
真田「喫茶店?」
貴「毛利探偵事務所の下にある、ポアロです」
比護「毛利さん家の下か…今度、行かせてもらうよ」ニコ
そう言うと、私達は分かれ家に戻る
☆☆
博士ん家
貴「ただいま」
哀「おかえり、ずいぶん遅かったわね」
貴「……スーパーからの帰りに、比護さんと真田さんと会ってね」
哀「!!」
買い物袋をテーブルに置くと、哀の方を見る
貴「…これは…」
哀「…工藤君が書き足したのよっ…」
ぬいぐるみストラップは、ボロボロで目が取れマジックで書かれてる……新一のやつ
貴「……じゃあ、それは部屋に飾っといて……これ、スマホに付けなよ」
哀「!?」
貴「さっき、"比護さん"達がくれたんだ。2つあるから、貰って?」
哀「(…比護さんが、くれた…比護さんが…)…ありがと、怜花さん」
貴「お礼はいつか、2人に言って?」
哀「ええ」
嬉しそうに抱えながら微笑む彼女を、見ながらご飯を作り始める私であった…