第61章 心のこもったストラップ11
貴方side
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私と零さんは、海水浴場の出入り口にやってくる
縁石の上に一緒に座る
やっぱり夏だから、ちょっと汗かいたな…
降谷「…怜花、大丈夫か?熱中症になってないか?」
貴「大丈夫ですよ。零さんこそ」
降谷「俺は仕事で慣れてるからな」
いつの間に買ってきたのか、ジュースを渡してきた
貴「…でも、どうして零さんは何も手伝わないんですか?」
降谷「……俺が手を貸さなくとも、もうじきストラップは見つかるさ。彼が居るからな」
彼とは、間違えなくコナンだろう。やっぱり密かに推理力を認めてるんだな…
降谷「…そういえば、来月ポアロのシフトが休みになってたが」
貴「ああ。来月、帝丹高校の修学旅行があるんで!」
降谷「…なるほどな。場所はどこなんだ?」
貴「京都です」
降谷「京都か。今ちょうど紅葉シーズンで綺麗だろうな」
貴「紅葉は勿論なんですけど、私はある場所に行きたいので…」
降谷「?」
京都が修学旅行になるとは思わなかった。けど、どうせ行くなら以前剣道大会で会った沖田総司の家の神社の御守りを買いに行きたい
同じ班の蘭や園子と真純には、話してはある。場所も彼に聞いてある
降谷「…まぁ、ゆっくり楽しんでこい」
貴「はい。お土産とか買ってきますね!」
★★
しばらくして、コナンの様子を見に行くと更衣室が見えた辺りで、男と対峙しているのが見えた
先程の男で間違えないみたい、更衣室に現れたか
追い詰められて焦った男は、慌てて逃げていく…が
コナンはしゃがみこみ、キック力増強シューズのダイヤルを回すと、ベルトからボールを出しながら……蹴る
コナン「修学…旅行ぉぉぉぉ―――!!!」
……そんな修学旅行、行きたいのか…
もはや執念が詰まってるボールは、見事に男の後頭部に直撃
倒れる男の手から、ぬいぐるみストラップがすり抜ける
子供達がそれをキャッチしようとするも上手く掴めず、海に落ちそうになるストラップ。
それをコナンが走ってキャッチ、それと同時に海に落ちた。