第58章 心のこもったストラップ8
貴方side
安室「それじゃあ会計を済ましておくから、君達は先に僕の車に」
潮干狩りの場所に行くために、私達は移動する
コナン達が先に店を出て行く
貴「…あの、私も半分出しま」
安室「怜花に払わせる訳ないだろ?良いから、ここは奢らせてくれ」
貴「…ありがとうございます」
財布すら出させる気がなく、素早く会計を済ませる
★★
潮干狩り 会場
貴「…うわ…」
歩美「人がいっぱい…」
光彦「シーズンオフなのに…」
元太「こん中から探さなきゃ行けねぇのかよ…?」
光彦「せめて、名前とか分かっていたら…」
あまりの人の多さに、驚愕。探すにはかなり時間がかかりそうな人の数々…
そのとき、隣に立っていた零さんのスマホが振動する
安室「…乗れたか?」ボソ
口調が零さんということは、相手は公安かヒロさん達、かな…
安室「…先頭車両から3両目。中央の進行方向に向かって左側の扉だ…しゃがんでその扉の窓に息を吹きかけろ。……早くしろ!」
誰かに、指示をする命令口調な為、部下だろうか……風見さん辺りかな…
安室「なんて書いてある?」
まさか、これの為に部下を使うとは…
安室「“よしだゆうと”だな?君がちょうど神奈川方面にいてくれて助かったよ。悪かったな」
切りながら、笑みを浮かべる零さん
貴「…私、間違っても零さんの部下になりたくない……コキ使われそう…」ボソ←
安室「ふっ……俺が怜花に、あれこれ命令する訳ないだろ?」ニコ
頭を撫でながら笑顔でそう伝えられるが、本当かどうか謎だ
安室「皆、わかったよ。よしだゆうとくんという名前だそうだ」
コナン「よしだゆうと?それがあの男の子の名前なの?」
安室「ああ。僕の友人が偶然あの電車に乗り合わせていてね。
例の扉の窓に息を吹きかけて、少年が書いた文字を確かめてもらったんだ」
ツラツラと嘘を話す零さんに、流石としか言いようがない
コナン(…さっすが、安室さん。よし、そうとわかれば…)
新一はポケットから、蝶ネクタイ型変声機を取り出す
そして私の背後に隠れると、口元に変声機を当てる