第56章 心のこもったストラップ6
貴方side
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小腹が空いたので駅近くのファミレスに入って作戦会議をすることに
安室「さて、どうやって探そうか」
各々飲み物を頼んでそれが届くと、私の隣に座る零さんが切り出す
安室「君達の友人が電車の中で落とした比護選手のぬいぐるみストラップを拾ったこの子連れの男性…見たところ、親子共々かなり日焼けしているようだけど…」
光彦「もしかしたら、海水浴に行く所なんじゃないでしょうか?」
コナン「いや、それはねぇな。この動画は午後3時に、サッカーの試合を観戦し終えてあの電車に乗った俺達が10分かけて米花駅についたところだから、海水浴に行くならもっと早い時間に移動してるはずだよ」
歩美「あっ!じゃあ、海へ行った帰りなんじゃない?」
コナン「それもないな。俺達が乗っていたのは湘南新宿トレイン。群馬県の高崎から出発して新宿や横浜を通り、神奈川県の小田原へ行く電車だから…米花駅まで、海なんかねぇし」
電車の路線図まで把握してるとは、相変わらずの頭脳だな…
光彦「だったら室内プールとか?」
元太「虫取りじゃね?」
歩美「ただ単に、知り合いの家に遊びに行ったのかも」
貴「近くに居なくて知らなかったけど、皆はその親子の会話とか…何か聞こえてこなかった?」
近くに居たなら聞いてるかもと思い訪ねると、しばらくして歩美ちゃんが声を上げる
歩美「そういえば、お父さんが男の子に、“ちょうど仮面ヤイバーを見終わるくらいだよ”って言ってたよ!今日はヤイバーの日じゃないのにね!」
仮面ヤイバーを見終わるくらい…たしか、特撮番組の時間は大抵30分…
コナン「その男の子、お父さんにそう言われる前に、聞いてなかったか?“あとどれくらい?”って」
歩美「あっ!聞いてた聞いてた!」
貴「じゃあ、目的の駅までどれくらいかかるかを30分番組の仮面ヤイバーを例にして答えたって感じか」
コナン「それ、言ってたのっていつか分かるか?」
歩美「うん。電車がキーッて止まって、みんなが転んだ後だよ」
コナン「だとすると、米花駅から30分…この千槍駅あたりだけど…」
光彦「ま、あの男の子は僕達と同じ小学1年生のようですから、お父さんが例えにヤイバーを出すのは、無理ないですね!」