第38章 ケーキが溶けた!6
貴方side
コナン「ああ。このバッジはかなり広範囲で通信できるから、きっと電波も強いはず。博士にドローンの周波数変えるように言っとかねぇとな」
安室「…」
コナン「そして、その電波干渉こそが、ケーキを崩した原因だったんだ。ポットはいつもここにあるよね?」
梓「そうだけど……、あっ」
梓さんも、ようやく思い出したらしい
コナン「そう。この電気ポットは、お湯が沸くと蒸気を出す。すると、このストッカーの裏にある空気口が、その高温の蒸気を吸ってしまい、ストッカーの中が、窓ガラスを曇らせた十数秒程、高温多湿のサウナみたいな状態になる。それでケーキが崩れて、そのまま冷やされたんだ」
梓「…じゃあこれ、使うのやめないとね」
蘭「あ、置く場所変えれば大丈夫じゃないですか?」
梓「あ、そっか。そうしてみる」
歩美「…じゃあ、また怜花お姉さんのケーキ食べられる?」
貴「もちろん。ただ前とは、少し違うケーキだけど」ニコ
コナン「?」
★★
数分後…
貴「おまたせ」
差し出したのは、萎んだスポンジにクリームと果物を乗せたケーキ
コナンの前に出し周りに皆が集まり、そのケーキを見つめてる
光彦「なんか、前より萎んだケーキみたいですね」
貴「わざとだよ。スポンジには火が通ってるから大丈夫」
ケーキにナイフを入れる、すると中からとろりとしたクリームが
歩美「わああ!中からクリームが出てきた!」
貴「フォンダンショコラを例に思いついてね…」
コナン「…まさか、怜花姉さんが考えてた解決策って…」
貴「うん。初めからクリームが塗ってあるケーキと違って、生地とクリームを別々に分けて保存できるし」
梓「あ、最初から崩れてるなら型崩れの心配がない…」
貴「はい」
光彦「それなら、あまり時間はかかりませんね!」
コナン「……ケーキが崩れた原因じゃなくて、崩れないケーキのレシピをずっと考えてたの?」
貴「だって、早く皆に食べてもらいたいじゃない」ニコ
哀(…怜花さんは、いつも食べてもらいたい人の事を考えてるのね)
そんな回答の私を、微笑みながら見ている哀には気付かなかった