第33章 ケーキが溶けた!2
貴方side
梓さんが、お湯の沸いたポットを片手に自慢げに話す。
シンクに少し流したお湯から湯気が立ち込める
コナン「あれ?電気ポット使ってるの?」
梓「ええ。ここの給湯器古くて、朝一番はなかなか熱湯にならないの。これだと、家出るときにスマホで操作すれば、ちょうど今頃お湯が沸くし」
コナン「スマホでって、それIOT家電なんだ」
梓「…IOT家電って…?」
安室「インターネットに接続できる電化製品ですよ。その電気ポットみたいにね」
シチューを混ぜながら、梓さんに説明する零さん
蘭「怜花、今日もケーキ食べたい」
貴「うん。今出すね」
蘭に頼まれ、作っていた分をストッカーから出すため蓋を開ける
貴「…!……またか」
梓「きゃっ!」
呟きの後、梓さんが小さな悲鳴を上げる
小五郎「なんだ!?どうした!?」
新聞を下ろしながら、梓さんを見る小五郎さん
貴「…そんな声出さなくても…」
梓「だって。また、こんな……どうして…?昨夜作ったときは、なんでもなかったよね?」
冷蔵庫の中のケーキは、どろどろに溶けていた
コナン「またって…初めてじゃないの?」
コナンの言葉に、私達は頷く
ケーキをまじまじと見つめるコナンを、私と零さんはじっと見つめていた
崩れる理由として考えられるのは…ストッカーの故障、くらい…かな?
安室「とりあえず、モーニングが出来たので、食べてください」
零さんは手際よく盛り付けると、小五郎さん達の前へ料理を置く
表情を見る限り、かなりの美味しさみたいだ
☆☆
朝食を食べ終えた蘭達にも、ケーキを切り置く
貴「見栄え悪くてごめんね」
蘭「大丈夫よ!大事なのは味だし」
小五郎「…朝っぱらからケーキかよ…」
ブツブツ言いながらも、小五郎さんもケーキを食べる
小五郎「…ん?!美味い!美味いぞ、怜花ちゃん!」
コナン「卵の味が濃いね」
貴「挑戦して多く使ったケーキにしてみたんだ」
零さんと梓さんも、ケーキを食べながら味を確認中
安室「味は前以上に美味しいですよ」
梓「でもこの見た目だと、一般のお客さんには出せないわ」
貴「…」