第19章 仲の悪いガールズバンド5
貴方side
目暮「…となるとこの状況は起こるべくして起きたという事か…」
安室「ええ…こうなる事を予想した犯人が…犯行に利用したんでしょう…まあ探偵の立場から口を挟ませてもらうとですけどね…」
松田(…何で毎回毎回、怜花と一緒なんだよコイツ…)イライラ
スタジオにやってきた警察は目暮警部と陣平さん。高木刑事と研二さんは別の仕事らしい
目暮「最初に起こしに行ったのは誰だね?」
第1に起こしに行ったのは、笛川さん
起こしに行ったものの山路さんは起きず、木船のジャケットの取れかけていたらしいボタンを直して休憩所へ戻ったのだと言う
次に起こしに行ったのはギター担当の木船さん。彼女が起こしても山路さんは起きる事はなく、ギターの弦の張り替えを済ませた後彼女も休憩所へ戻ったそうだ
貴「…あの、その時の山路さんの様子は?」
笛川「ドラムのハイタムに突っ伏して腕で顔を覆うようにして寝てたよ。萩江はいつもそうしてたし…何かそこが一番寝心地がいいみたいでさ…」
世良「じゃあ、その時点で彼女が死んでたとしても…」
安室「わからなかったわけですね?」
笛川さんは2人の言葉に反論するが、強ち間違った事は言っていない。
多少の居心地の悪さを感じつつ、会話は最後の一人、キーボード担当の小暮さんの話へ
彼女はスタジオに入ってすぐ山路さんへの配慮でキーボードの位置をずらし、曲の直しを行ったそうだ。
その姿も後ろ姿ではあるが監視カメラに映っており、彼女の楽譜は書きなおされた箇所がある。
その後二人と同じように山路さんを起こしてみたが返事はなく、休憩所へ戻ったらしい
その後凶器を探しに乗り出す、けどスタジオ内にそれらしきヒモ状の物はなく、目暮警部達の顔に焦りの色が浮かぶ。
その頃には事件が起きた事は他の利用者にも知れ渡る
世良「…」
貴「どうしたの?真純」
園子「あの人達怪しんでるの?」
ある二人組を真純が興味深そうに見ていて、声をかける
世良「あ、いや。ギターケースを背負ってる人を見ると思い出しちゃうんだ。4年前…駅の向こう側のプラットホームにたたずむ…ギターケースを背負った秀兄をな!!」